Pixarの技術担当バイスプレジデントGreg Brandeau氏によると、次期アニメ映画作品の制作に取り組むPixarの開発者にとって消費電力は極めて重要だという。同社がXeon 5100プロセッサを採用した試作サーバと旧型のIntel製品を比較したところ、同じ計算能力を得ながら、設置場所は古いサーバの3分の1、消費電力は2分の1に収まったという。
Pixarでは、社内のサーバルームにOpteronとXeonの両プロセッサを搭載したサーバを設置していると、Brandeau氏は語っている。同社ではRenderman技術ベースの社内ベンチマークを使ってプロセッサのパフォーマンスを評価し、計算処理の増強が必要な場合は、その時点で最速のチップを追加している。Pixarでは現在、WoodcrestとCloverton(開発コード名。2007年登場予定の4コアプロセッサ)を搭載したシステムを購入する方向で計画を進めていると、同氏は語っている。
サーバの顧客は、Woodcrestプロセッサが実現する仮想化ソフトウェアのハードウェアサポートにも期待していると、Kilroy氏は語っている。仮想化技術を使えば、ITマネージャーが1台のプロセッサ上で別々の仮想環境を実行できるようになり、特定のアプリケーションごとに専用サーバを用意する必要がなくなる。
そのため、Insight 64のアナリストNathan Brookwood氏によると、ITマネージャーは電気料金の支払額を抑える以外に、時間と設置スペースを必要とする余分なシステムも排除できるようになるという。平均的サーバ利用率は約13%と極めて低いが、Intelの旧型プロセッサを搭載するサーバは、たとえ利用率が低くてもかなりの電力を消費すると、同氏は語っている。仮想化技術は1台のサーバにより多くのアプリケーションを詰め込めるようになる。
Intelにとっての問題は、同社が失ったマーケットシェアを新チップがAMDから取り戻せるかどうかだ。AMDはサーバ市場において、事実上ゼロから出発して2006年には20%のシェアを獲得するまでになり、さらなる拡大をもくろんでいる。
Kilroy氏はプレゼンテーション後のインタビューで、「われわれは、だれに、どのような理由で自分たちが負けたかが分かっている。純粋なパフォーマンスでも、ワット当たりの性能でも苦戦している事実があるにもかかわらず、出荷されるサーバの10台中8台は今もIntel搭載だ。多くの顧客は、われわれが後れを取ったことを承知の上で今も製品を購入してくれている」と述べた。
Intelは複数の異なるバージョンのXeon 5100プロセッサを出荷し、クロックスピードは最大3GHzに達する。最もパワフルなチップは消費電力が85Wに達するが、そのほかは消費電力が65Wにとどまっていると、同社はリリースのなかで述べている。Kilroy氏によると、2.33GHzで動作する40Wバージョンも第3四半期に登場予定だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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