VistaとLonghornサーバ、コードベースは共通化へ

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:河部恭紀(編集部)2006年05月24日 12時22分

 ワシントン州シアトル発--「Windows Vista」とそのサーバ版は、それぞれが別の道を歩み始めている。しかし、両者は2007年に再会を果たすことになる。

 Microsoftは米国時間5月23日、VistaとWindows Server「Longhorn」の両Beta 2をリリースした。だが今後、Vistaの方では2006年完成と2007年1月の店頭発売を目指し、主にバグ修正とパフォーマンス強化が行われる。これに対し、Longhorn Serverの方はまだ開発の初期段階で機能の追加が行われており、2007年後半の完成版投入に先立ち、ベータ3が同年前半にリリースされる。

 同社Server and Tools事業部のトップBob Muglia氏はインタビューのなかで、進行にはこのように差があるがコードベースは共通にしておきたい、と語っている。

 「計画としては、別々のコードベースだった(Windows)XPと(Windows Server)2003とは異なり、これが1つになる。そして、Longhorn Serverが出荷される2007年の秋ごろにはすべてがまとまる」(Muglia氏)

 VistaチームがデスクトップOSのバグ修正を進めるなか、これらの変更はServerのコードにも反映されていく。一方、Serverコードに対する変更は、今秋登場予定のVista向けに用意されるサービスパックで反映していくようになる。

 このような計画は以前にもあった。Microsoftではかつて、Windows XPが「Whistler」と呼ばれていた時期に、そのサーバ版とのコードベースの共通化を考えた。だが、セキュリティに対するアプローチの改良などからサーバのアップデートに時間がかかり、最終的には同サーバをWindows Server 2003として出荷することになった。

 Muglia氏によると、Longhorn Serverに関しては、Network Access Protectionなどの重要な機能が既にテストバージョンにも搭載済みだという。

 「大きなものはすべて搭載済みだ。あとは細かいものだけだ」(Muglia氏)

 一方、Microsoftはサーバ本体とは別に、あとから機能を追加する作業にも取り組んでいる。同社は23日、「Scalable Networking Pack」という無償アドオンの準備が整ったことを明らかにした。

 この新機能を使うと、メインプロセッサが処理していたネットワーキング関連のタスクを、サーバがネットワーキングカードに任せられるようになる。ただそれには、市場に登場し始めた新しいタイプのネットワーキングカードがサーバに搭載されている必要がある。

 Senior Product ManagerのIan Hameroff氏によると、1Gビット分のトラフィックを処理するには約1GHz分の処理能力が必要であるため、これは重要な機能だという。「われわれがやろうとしているのは、この負荷の軽減だ。その分CPUが自由になり、ほかのアプリケーションのタスクを実行できる」(Hameroff氏)

 このネットワーキングパックは現在無償ダウンロード可能で、Longhorn Serverにも搭載される。ネットワーキング関連新興企業のAlacritechがこのネットワーク負荷低減機能を巡ってMicrosoftを提訴したが、両社は7月に和解し、MicrosoftがAlacritechから技術をライセンスする形になった。

 一方Microsoftは、ハイパーバイザーと呼ばれ、機能が向上した仮想化技術を自社のサーバソフトウェアに追加する作業も進めている。同機能はLonghorn Serverには搭載されず、Muglia氏が同サーバのリリースから6カ月以内に出荷すると語るアドオンの形で登場する。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

 

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