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L・トーバルズ、「GPLバージョン3」に難色
Linus Torvaldsは米国時間25日、先ごろ草案が公開された「General Public License(GPL)バージョン3」について、新たに盛り込まれたデジタル著作権管理(DRM)に関する条項に賛成できないとして、この新バージョンをLinuxに採用するつもりはないと語った。
GPL新バージョンの採用をTorvaldsが拒否することは、まったく予想されていなかったことではないが、それでも15年ぶりの更新となるGPLに大きな影響を及ぼす。Linuxは、オープンソース・ソフトウェアの最も有名な成功例だとみなされているからだ。
「GPL v3への切り替えはないだろう」と、TorvaldsはLinuxカーネルメーリングリストへの投稿のなかに記している。「LinuxカーネルのライセンスをGPL v3に切り替えることはないと思う。私自身、自分の書いたコードを切り替えたくないと考えているからだ」(Torvalds)
Torvaldsは、具体的にはGPL 3の草案に追加されたDRMに反対する新たな条項に異議を唱えている。DRMは暗号技術を使ってコンテンツの利用やソフトウェアの実行に制限をかける技術を指す。「たとえば、秘密鍵の公開を義務づけるようなことは非常識だと思う。自分なら公開しない」(Torvalds)
GPLは、フリーソフトウェアとオープンソースムーブメントに関する規則を定めた法的文書であり、同時にそのマニフェストでもある。この文書は、協調型のソフトウェア開発に関するいくつかの権利を示すもので、プログラムの基盤となるソースコードを自由に閲覧/複製/修正/配布できると定めている。
LinuxとGPLの問題は、オープンソース関係者の間に以前から存在している哲学上の相違を浮き彫りにしている。Torvaldsは実際的なアプローチを支持する側の代表的な人物だが、これらの人々はコンピュータ業界で普及している慣例を受け入れている。TorvaldsはチップメーカーのTransmetaで何年もプロプライエタリなソフトウェアを開発していた経験があり、たとえばグラフィックカード用のプロプライエタリなドライバソフトを、Linuxのカーネルにモジュールとして読み込むことを認めていた。
その対極にいるのが、Free Software Foundation(FSF)を創設したRichard Stallmanだ。同氏は確固たる信条の持ち主で、非常に倫理的かつ社会的な目標を掲げている。Stallmanと、FSFの顧問弁護士Eben Moglenは「GPL 3」の解説に、「数学、物理学、生物学の各分野では、倫理的に納得のいく文脈のなかでしか自由でオープンな科学的研究を行うことはできないが、それと同じように、倫理的に納得のいくソフトウェアの開発形態は、ユーザーによる自由な閲覧/複製/修正/再利用/再配布/共有が認められたフリーソフトウェアしかないとFSFでは考えている」と記している。
Free Software Foundationは今月に入って「GPLバージョン3」の最初の草案を公開した。これを皮切りに、GPLバージョン3は今後約1年をかけて議論と改訂が進められることになっている。
StallmanとMoglenはDRMについて、ユーザーが持つべき自由を制限する技術と見なしているが、先に公開された草案には、DRMに反対する次のような文言が新たに挿入されている。
「フリーソフトウェアライセンスとして、本ライセンスは著作権で保護された作品の複製/修正/共有を行うユーザーの自由を制限しようとする技術には、本質的に賛成できない。著作権で保護された作品をユーザーが実行するにあたり、本ライセンスが認めた規定上の権利行使を否定する配布方法は、これを一切認めない」
つまり、GPLのコードに何らかの形で鍵をかけ、著作権で保護されたソフトウェアの変更を防ごうとする行為は禁じられている、ということになる。
Torvaldの見解も特に驚く驚くべきものではない。同氏は2003年に、DRMに門戸を開くことをカーネルのメーリングリストで明確に示していた。
「私自身、必ずしもDRMが好きなわけではない。だが、私はOppenheimerのような人物であり、Linuxについて政治的な駆け引きなどしたくない。Linuxは好きな用途に使えると思うが、その中には必ずしも個人的に賛同できないものも含まれる」(Torvalds)
Torvaldsは、現行のGPLバージョン2がリリースされた1991年に、Linuxプロジェクトを開始し、今もそのプロジェクトのリーダーを務めている。Linuxのカーネルは、無償のUNIXクローンを開発すべくStallmanが着手していた「Gnu's Not Unix(GNU)」の成果とうまくかみ合った。この組み合わせのために、Free Software FoundationではOS全体が「GNU/Linux」と呼ばれることを好んでいるが、ただしLinuxには「Xorg」グラフィックスシステムなど、別のグループが開発した重要なコンポーネントも含まれている。
Torvaldsは2004年に行われたインタビューのなかで、GPLにはソースコードをオープンにする以外の役割を果たして欲しくないと考えていることを示唆していた。
「実際のところ、コードを第三者に公開することと、改善部分をそのまま維持することの2つしかライセンスには望んでいない。本当にそれだけだ。それより多くても少なくてもいけない。ほかは余計だ」(Torvalds)
このように慎重な姿勢をとっているため、TorvaldsはLinuxに関して、GPLバージョン2あるいは「その後のバージョン」が適用されることを明記することを求めるFree Software Foundationの勧告には従わなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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