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ブラジルの「コミュニティ志向」とオープンソース

2005/11/28 10:00
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 ブラジルのジェトゥリオ・ヴァルガス財団法科大学のCentre for Technology & Societyでディレクターを務めるRonaldo Lemosによれば、ブラジルでは連邦および州政府、市庁でオープンソースソフトウェアが利用されているが、こうした取り組みにより積極的なのは州および市だという。同センターは先頃、ブラジル政府にオープンソース戦略に関するアドバイスを授けている。

 「連邦政府がフリーソフトウェアを取り入れる前から、その広範な利用を導く取り組みが市や州のレベルで行われていた」(Lemos)

 ブラジルの各州では、これまで何度も大規模な移行が実施されている。例えばパラナ州は、1万人の州政府職員が使用していたプロプライエタリソフトウェアをカスタマイズしたオープンソースコラボレーションアプリケーション「eGroupWare」へ変更し、またサンパウロ州は、州全域の学校で利用される1万6000台のPCおよび1000台のサーバにLinuxを導入したと、Linux企業Mandrivaは明らかにしている。

 一部の政府機関もオープンソースソフトウェアへの移行を始めており、今では連邦の22省庁のうち7省庁がそうしたソフトウェアを使っている。Sun Microsystemsの製品マーケティングマネージャErwin Tenhumbergによれば、同政府は、例えば「OpenOffice.org」を連邦政府の4000台のマシンにインストールするといった、多数のオープンソースデスクトップ導入プロジェクトを進めているという。

 ブラジル連邦政府は、公共機関にオープンソースソフトウェアの利用を義務づける法案を起草している。この法案は、政府の省庁に、プロプライエタリ製品の使用を続ける正当な理由がない限り、オープンソースソフトウェアに移行することを強制するものになる。

 エスピリトサント州およびパラナ州、アンパロ市、ソロノポール市、リベイロンピーレス市、レシフェ市といったブラジルの州や都市では、行政にオープンソースソフトウェアの利用を優先するよう求める法律をすでに通過させている。

 もっとも2005年4月には、ブラジルのLinuxベンダーConectivaの前CEOであるJaques Rosenzvaigが、こうした法律が当該の州におけるオープンソース使用に影響を与えてきた例はなく、厳格に施行されているわけではないと指摘している。

 MandrivaのCEO、Francois Bancilhonも、ブラジルは「口にしているほど行動を起こしていない」という見方に同意している。Mandrivaは、ConectivaとMandrakesoftが合併して設立された企業。

 「政治家が目指していることと行政が進んで実施しようということの間には、いまだにギャップがある」(Bancilhon)

 ブラジル政府は立法政策と同様に、オープンソースの研究/促進プロジェクトにも投資を行ってきた。こうしたプロジェクトには、オープンソースソフトウェア関連の訓練およびサポートを提供する技術センター、CDTC(Centro de Difusao de Tecnologia e Conhcimento)の設立が含まれている。

 ブラジル政府は、オープンソースソフトウェアを採用する主な目的として、コストの削減を挙げている。ブラジルのNational Information Technology Institute代表Sergio Amadeu da SilveiraはBBCのインタビューに対し、「移行の1番の理由は経済上のものだ」と答えた。「オープンソースソフトウェアに切り替えれば、外国企業へ支払うロイヤリティが少なくて済む」(Silveira)

 ブラジル政府にフリーソフトウェア戦略に関する助言を与えたLemosも、政府がオープンソースを採用する「非常に重要な」要因は経費の節減であるという意見を持っている。Lemosはまた、政府がオープンソースを支持するそのほかの理由として、ソースコードにアクセスできることから生まれる教育的なメリットに言及した。こうしたメリットは、例えばサンパウロ州政府が開設したコミュニティセンターなどに見られる。同センターは「Telecentros」の名で知られており、ここでは人々がフリーソフトウェアに触れることができるという。

 「サンパウロのTelecentrosでは、興味深い現象が起こっている。すなわち、人々がインターネットを閲覧するためにコンピュータを使い始めたばかりでなく、これらのプログラムのソースコードをあれこれいじって、プログラミングを学ぶようになった人が相当数いたのである」とLemosは述べ、さらに「フリーソフトウェアは技術力の高いプログラマのコミュニティを生みだし、ひいてはこれが国家の技術を全体的に向上させる貴重な基盤となる。こういったわけで、『教育的』メリットが(ブラジル)政府の(フリー/オープンソース)ソフトウェア採用を促進する重要な要因となっているのだ」と続けた。

 さらにLemosは、ブラジルでは、大規模で活発なフリーソフトウェア開発コミュニティが公共機関の同ソフトウェア採用を活性化したと述べている。

 一方RedmonkのアナリストJames Governorは、ブラジル政府がオープンソースに熱心に取り組むのは、同国が「米国企業に強い不信感を抱いて」おり、また同時に文化的な理由を有しているからだと話す。「ブラジル人にはコミュニティを志向する性質があり、これにオープンソースがフィットしたのだろう」(Governor)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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