米国時間14日にシアトルで開催されるSC05 Supercomputing Conferenceで正式に公開される同ランキングは、「Linpack」と呼ばれるベンチマークの結果順でコンピュータの順位を決めている。Linpackは、密度の高い膨大な量の浮動小数点演算をいかに高速に計算するかに重点を置いている。
このテストは全体のパフォーマンスを正確に測定するものではないが、スーパーコンピュータをランク付けする際は、機能面での判断基準になる。ただし、関係者らはマシンをランク付けする別の手法の開発も考えている。
ランキングからはそのほかにも、次のような事実と傾向が分かる:
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ランキングはまだ流動的だ。上位10台中4台のシステムは新しいコンピュータと完全に入れ替わっており、6月のランキングに入っていた221台のコンピュータが今回のランキングから漏れてしまった。
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ランキングに見られる激しい動きの一因として、クラスタリングサーバを使ったスーパーコンピュータの構築が挙げられる。これまでは、多くのスーパーコンピュータが単体として設計されていた。現在はランクインしたマシンの72%をクラスタが占めており、順位が下位になるほどクラスタが目立つ。6月時点では、クラスタはわずか61%だった。
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プロセッサに関しては、サーバで人気の高い製品がスーパーコンピュータでも人気だった。大半のXeonサーバや「Pentium 4」デスクトップと同じアーキテクチャを持つIntelの32ビットx86プロセッサは、206台のシステムで採用されていた。2番目に人気の高いチップアーキテクチャが64ビットバージョンのIntel x86プロセッサで、81台のマシンで採用されていた。一方、各種「Power」チップは81台のコンピュータで採用されていた。
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OpteronはItaniumのシェアを奪いつつある。6月のランキングでは25台だったが、今回は55台のコンピュータがAMD Opteronチップを採用していた。IntelのItaniumを採用するマシンはわずか46台で、6月の79台から数を減らしている。
- スーパーコンピュータの利用が最も多いのは今回も引き続き産業界だった。設置先は、ランクインした266台が営利団体、121台が研究所、70台が教育機関だった。
- これらのモンスターマシンに搭載されたチップ間を接続する方法としては、ランクインした249台のコンピュータが採用するギガビットイーサネットの人気が最も高かった。Myrinetは101台のシステムが採用していた。
- Apple Computerも1台をランクインさせている。メリーランド州立ボウイ大学に設置された448プロセッサ搭載マシンが第308位に入っている。しかしほかにも、Appleサーバで構成されながら、組織の「自作」に分類されたマシンが3台ランクインしている。