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マサチューセッツ工科大学、ナノテクを利用した防曇技術を開発

2005/09/01 08:00
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 マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループが新しい防曇加工技術を開発した。ガラスを水で覆うことにより、ガラスが曇るのを防ぐというのだ。

 今週ワシントンD.C.で開催されたAmerican Chemical Societyの会合で、MITの科学者らが、新素材の開発方法を説明した。この新素材は、小さなガラス微粒子とポリマーを薄く交互に重ね合わせたもので、現状の曇り防止ガラスやプラスチックよりも広い用途が見込まれる。今後2〜5年の間に、ガラス、スキーのゴーグル、車のフロントガラスといった製品が、この新素材によって作られるようになるかもしれない。現在までのところ、米軍(このプロジェクトは米国防総省の研究開発部門であるDARPAから資金投資を受けている)ならびに自動車メーカー2社が同技術に興味を示している。

 MITの開発した技術は、どちらかといえば直感的に理解しづらいものだ。ガラスがくもるのは、微細な水滴がその表面上に付着するためである。このとき、膨大な数の水滴はガラスやプラスチックの表面にランダムに付着する。また、水滴面はガラスやプラスチックの面に対して鋭角になる。そのため、水滴が光を乱反射し、それが人間の目にはくもっているように見えるのだ。

 MITの開発した新しいコーティング技術は、水をはじくのではなく、むしろガラスを水でコーティングしてしまうというものである。水は、ガラス表面上で途切れのない薄い層を形成する。水滴同士がつながり、薄い水の層になれば、表面のゆがみがなくなり、光の乱反射も防げる。

 この薄い水の層はまた、光のぎらつきをも防止する。現在のところ、このコーティング技術はプラスチックよりもガラス上で強みを発揮している。同プロジェクトのリーダーで、MITの物質科学研究者であるMichael Rubnerと、研究者らは現在、すべての種類の物質上で、コーティング技術が活かされるよう開発に取り組んでいるという。

 この物質は製造コストが安価になる可能性をも秘めている。このコーティングは、シリカナノ粒子の層で構成されている。シリカナノ粒子は、ガラス微粒子と、ポリアリルアミン塩酸塩(Polyallylamine Hydrochloride)と呼ばれるポリマーで形成される。

 現状の曇り防止技術は、時間が経過することで剥がれてしまうスプレー型のコーティングか、特定の環境でのみ機能する二酸化チタン粒子をベースにしたものが、広く利用されている。

 ここで利用されるガラスやプラスチックなどは、ナノテクが利用された最初の製品となるだろうと期待される。ナノテクとは、100ナノメートル(1000億分の1メートル)以下のサイズの構成要素から製品を作り出す科学のことである。実践的な言い方をするなら、それを実現するために、物質内の個々の原子に加工を加えようということだ。これは、軽量化または新しい特性の形で現れることになる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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