サン、計算処理能力の「電子取引所」開設へ

Stephen Shankland (CNET News.com)2005年02月04日 13時39分

 カリフォルニア州サンタクララ発--Sun MicrosystemsとArchipelago Holdingsは、企業が計算処理能力を売買できる電子取引所をつくる計画を進めている。Sunでは計算処理能力が本物のコモディティになるというビジョンを掲げており、この動きがその実現に向けた一歩になることを期待している。

 Sunは、いずれは顧客が自社でインフラを構築しなくなり、代わりにユーティリティコンピューティングサービスに特化した企業から計算処理能力を購入するようになる、と考えている。新しい取引所は、このような処理能力を購入しやすくすることを目指したものだ。

 SunのRobert Youngjohns(戦略開発および財務担当エグゼクティブバイスプレジデント)は、「ユーティリティの利用を突きつめると、売買可能という点に行き当たる」と語った。同社は、計算処理能力を利用したい顧客が「開かれた市場でそれを自由に購入できる」ような手段を講じたかったという。

 Sunは今週、得意客に対して計算処理サービスを1台あたり1時間1ドルで提供開始し、SunのSolaris OSとAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronプロセッサを搭載した大量のマシン上で、金融シミュレーションなどのプログラムを動かせるようにした。規模の小さい顧客も、このSun Gridを今年中には利用できるようになる、とSunは語っている。

 Youngjohnsによると、いずれは市場が料金を決める形にしたいというのがSunの考えだという。電子取引所技術を提供するArchipelagoとの提携はこのための布石となる。Sunの予想では、この取引所は今年半ばまでには開設できる、とYoungjohnsは語っている。

 計算処理能力を公開市場で売買できることは、サービスの商品化に役立つ、とSunは考えている。当初のサプライヤーはSunだけだが、Youngjohnsはまずビジネスパートナー各社が、そして将来的には計算処理能力に余剰がある企業各社が追従してくる、と見込んでいる。

 顧客が計算処理能力を売買できれば、原油や豚肉といった従来の商品市場の特色と同じ動きが生まれてくる、とSunは予想している。

 「これがコモディティとして売買されるようになる。買い占めの動きが出てくるかもしれない」とYoungjohnsは述べ、たとえばFRB議長のAlan Greenspanが最新の経済観測を示すと、500人のトレーダーが即座にリスクを分析して、市況商品のトレーダーがユーティリティコンピューティング商品の需要増を当て込む、といったことになるかもしれない、と説明した。

 Sunは1基のプロセッサが1時間に処理できる作業量をCPU/時とし、これを計算処理能力の単位として採用している。だが、この単位は典型的な商品と特性が異なる部分がある。牛乳、無鉛ガソリン、24金といった商品の大半は、サプライヤーの違いに依存せず、たいていは全く同じ画一的なものとなっている。

 それに比べ、SunのいうCPU/時は一般的とは言い難い。プロセッサのなかには、他と比べて強力なものもあれば、そうでないものも存在し、また他よりも強力なシステムに搭載されたものもある。なかには高速なネットワークに接続され、顧客が容易に利用できるコンピュータもある一方で、インターネット上でもアクセスし難い端のほうに置かれたマシンもある。さらにCPU/時はSolaris x86を前提にしているため、WindowsやLinuxを利用したいと考える顧客が関心を示す可能性は限られている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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