Honeycomb技術で記憶装置の改善に取り組むサン - (page 2)

Stephen Shankland(CNET News.com)2005年02月02日 12時09分

後発組としての課題

 Honeycombを推進するのはSunだけではない。同社最大のライバルで、ストレージを専門とするEMCは、競合製品のCenteraでSunより先にこの市場に参入しただけでなく、Documentumという会社まで買収してしまった。Documentumのソフトウェアは、メタデータの利用に必須のインタフェースを提供する。

 EMCは2004年に、Centeraで1200社以上の顧客を獲得し、165種類のアプリケーションでCenteraをサポートするようソフトウェアベンダーに呼びかけ、これまで合計で30 P(ペタ)バイト相当のCenteraを販売した。同社広報担当のGreg Edenは、「われわれの成果を見れば明らかなように、Centeraにはかなりの勢いがあり、市場でも採用が進んでいる。顧客は構造化されていないデータに悪戦苦闘しており、助けを求めている」と述べている。

 だが、Sunは自社の方が有利だと考えている。EMCは別のサーバ上で稼働するデータベースを利用してメタデータの保存と処理を行っているが、Honeycombはその機能をストレージシステムに直接搭載している、とDavisは言う。同氏によると、Sunのアプローチの方がコストが安く、シンプルで、専属の管理者も不要だという。

 さらに、Sunは再びオープン化の手法を持ち出そうとしている。同社はメタデータ用のインタフェースを公開し、その標準化に取り組む、とCanepaは言う。こうすれば、ソフトウェアベンダーや顧客は、ストレージシステムごとに製品をカスタマイズしたり、データが特定のベンダーのストレージシステムから身動きできなくなる、といった心配が不要になるという。

 新興企業のPermabitも、いわゆる連想記憶装置(CAS)の市場でSunと競合している。同社の技術は、米国時間1月24日にデビューしたStorage TechnologyのLifecycle Fixed Content Manager 100システムに採用されている。また、Hewlett-Packard(HP)もHP StorageWorks Reference Information Storage Systemを販売している。

 現在の予定では、Honeycombシステムはどれも高さ5.25インチのラックマウント式モジュールとなっている。Davisによると、記憶容量はモジュールをどんどん追加すれば拡大できるが、このような拡張を行っても管理スタッフの増員は不要だという。

 同システムは、Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronプロセッサに対応したSunのSolaris 10で動作する、と同氏は付け加えた。Davisによると、Opteronの高速なI/O機能がこの処理に有効だという。

 Honeycombは今後、同社のStorEdge 5210および5310の両システムに組み込まれる。両システムは現在IntelのXeonプロセッサを採用しているが、「年末までにはOpteronに置き換える」とCanepaは述べている。

数千台のディスクをつかうメリット

 Honeycombは、データの信頼性の高さも売りにしている。現在は、あるディスクが障害を起こしてもデータが消失しないよう、RAID技術を使って複数のディスクにデータを分散保存する方法がとられている。この場合、管理者が障害を起こしたディスクを交換すると、RAIDシステムがデータを復元できる。

 しかし、ディスクの容量が500Gバイトに達しようかという現在では、「再構築作業に数日かかることもある」ため、その間に別のディスクが障害を起こしてデータが復旧できなくなる可能性もかなり高い、とCanepaは述べている。

 Honeycombは、データを多数のドライブに分散して格納することにより、この問題を回避しようとしている。同システムは全く停止することなく複数回の障害に耐えられる、とCanepaは言う。その結果、いずれはストレージシステムの保守が低コストで簡単になる可能性もある。

 「数百あるいは数千台のディスクの運用を検討している場合、障害を2〜3カ月放置しておいてから定期交換を行うといったやり方もできる。あるいは、十分な容量があって全く交換の必要がないかもしれない。5年もしたら、そこからデータを取り出せばいいだけだ」(Canepa)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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