デル、米顧客満足度調査で首位に返り咲き

John G. Spooner(CNET News.com)2004年12月10日 19時34分

 企業顧客を対象としたPCの満足度ランキングで、近頃低迷していたDellがHewlett-Packard(HP)とIBMを抜き、見事首位に返り咲いた。このランキングは、今後のPC販売動向を占う指標として注目されている。

 Dellは、調査会社Technology Business Research(TBR)が行った第3四半期の企業顧客の満足度調査で、100点満点中83.61点を獲得した。ちなみに同社の第2四半期と第1四半期の得点はそれぞれ82.27点、80.32点だった。

 第3四半期の調査結果では、世界三大PCメーカーの中でDellの顧客満足度が最も高かった。第2位は81.95点を獲得したHPで、IBMは81.66点で第3位だった。

 Dellは過去1年間、TBRによる企業顧客満足度ランキングで低迷していたが、今回は挽回に成功した。2004年第1四半期のDellの全体的な顧客満足度は、TBRが調査を開始した2000年以降で初めてHPのそれを下回った。Dellに対する満足度は第2四半期中にわずかに改善したが、それでもHPやIBMに追い付くのが精一杯だった。

 Dellに寄せられた顧客からの苦情は主に電話サポートやオンサイトサポートに関するものだったが、同社はこれらの苦情を直ちに事実と認めた。Dellのサービスマーケティング担当ディレクターBob Riazziは、「われわれの事業は急成長しているため、残念ながら、(電話サポートなどの分野で)人員配置計画が成長のスピードに追いつけなかった」と述べた。

 TBRが四半期ごとに発表している顧客満足度調査は、PCを購入した企業顧客数百社を対象に行われ、業界内に高い影響力を持つ。その結果から、普段はなかなか知ることができない企業顧客らの本音を垣間見ることができる。ニューハンプシャー州に拠点を置く調査会社Hamptonによると、同調査で他社との1%以上の得点差は企業にとって大きなアドバンテージになるという。

 Lenovo GroupによるIBMのPC部門買収により、再度順位が大幅に入れ替わる可能性がある。この買収は、2005年第2四半期中に完了する予定だ。IBMは、LenovoへのPC部門の移譲が顧客に与える影響を最小限に食い止める措置を講じており、IBMの顧客企業数社も(今回の買収によって)ブランドを変える予定はない言ってくれたと明言している。しかし、移譲の間に両社が失敗を犯せば、DellやHPに躍進のきっかけを与えることにもなりかねない。

 TBRは四半期毎に、北米に拠点を置く企業のIT担当幹部数百人を対象に調査を実施している。同調査では、電話サポート、現場の技術的専門知識、価格、実際の製品価値、全体的な満足度など、8つの要素に重点を置いて評価を行う。

 DellのPC事業の急速な成長は、同社の顧客サポート能力に過大な負担を与えていたが、TBRの第3四半期の調査結果を見ると、同社が企業顧客の満足度を改善するための対策を講じ、その結果、同社のサービスやサポートに対する懸念を理由に顧客が他社へ流出する可能性が低下したことが分かる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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