ベリタスのi3最新版、「アプリケーションのパフォーマンス低下の原因分析が可能」

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年11月10日 18時40分

 ベリタスソフトウェアは11月10日、アプリケーションパフォーマンス管理(APM)を実現するソフトウェアの最新版となるVERITAS i3 v.7を発表した。従来のパフォーマンス管理に加え、アプリケーションの可用性に関する問題について分析し、解決法を提案する機能が追加されたという。

 APMとは、規定のサービスレベルを確実に達成できるよう、ITシステムを測定・分析・改善し、エンドユーザーに対するレスポンス時間を短縮するためのプロセス。たとえばEコマースサイトなどでは、システムのパフォーマンス低下がビジネス機会の損失につながるため、APMソリューションへのニーズは高いという。そのためVERITAS i3は、米Amazon.comをはじめ、国内市場でもすでに200社以上の導入事例があるという。

米Veritas Software APMプロダクトマーケティング プロダクトライン マネージャー トム・モルヴヒル氏

 VERITAS i3のコンポーネントは、3つのi、つまり「Insight」「Indepth」「Inform」で構成されている。Insightでは、ITインフラストラクチャ全体を洞察(Insight)し、パフォーマンスのボトルネックがどこにあるかを特定する。Indepthでは、Insightで特定された問題の理由を探り、問題の修正や回避策など、より深い分析(Indepth)を行う。Informでは、IndepthやInsightで分析された問題を的確に通知/警告し(Inform)、ウェブベースのレポートを提供する。これにより、「複雑に階層化されたアプリケーションの管理を簡素化することができ、アベイラビリティとパフォーマンスの両方を向上させることができる」と、米Veritas Software APMプロダクトマーケティング プロダクトライン マネージャーのトム・モルヴヒル氏はいう。

 今回のバージョンアップで追加された主な機能として、アプリケーションのアベイラビリティ管理が可能となったことがある。この機能では、様々なトランザクションデータを収集し、アプリケーションのパフォーマンスや可用性に影響を与える問題を分析し、悪影響が発生する前に解決策を提案する。ほかにも、アプリケーション ランタイム分析機能が加わり、問題のあるクラスタやアプリケーションを特定して分析し、トランザクションパフォーマンスを最適化することが可能となった。さらに、専門的なアドバイスを提供するSmarTune機能が強化され、i3に集積したデータベースを基に、アプリケーションパフォーマンスのチューニングの必要性を、パフォーマンスに与える影響が高い順に提示することが可能となっている。SmarTuneでは、施策を実施した場合のシミュレーションも可能で、変更を加える前に施策の選択肢とその影響が評価できるという。

 モルヴヒル氏はさらに、i3の新バージョンでVERITAS Cluster ServerとVERITAS Storage Foundationの統合が実現したと述べ、「総合的なインフラストラクチャおよびアプリケーション管理が可能となり、ユーティリティコンピューティングが実現できる」とした。

 VERITAS i3 v.7の対応するプラットフォームは、Solaris、AIX、HP-UX、Windows、Linux(Red Hat、SUSE)。価格は19万1100円(税込み)からで、日本語版は2005年に出荷が開始される予定だという。ベリタスは同時に、SAPやOracle、SQL Server、J2EE、PeopleSoftなどのアプリケーション環境ごとにパッケージ化した「VERITAS i3 v.7アプリケーション対応パッケージ」も発表しており、こちらの価格は38万1150円(税込み)からとなる。

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