ブレードサーバは大型のシャーシに挿入して利用する薄型のローエンドシステムだが、このシャーシにはサーバだけでなくネットワーキング用モジュールやストレージ、あるいは特定用途向けの機器も格納される。IBM、Hewlett-Packard(HP)、Sun Microsystemsの各社はいずれも異なる設計のブレードを販売しており、また現在第4位のDellでも第4四半期に自社の製品を投入する計画を進めている。しかし、各社がバラバラな設計の製品を扱っていることから、BrocadeやCiscoのような企業では各メーカーの製品にあわせて別の機器を開発し、それを検証/認定した上で販売しなくてはならない状態に置かれている。
Doughertyによると、現在ブレードの標準づくりに向けた取り組みがいくつか進められているものの、これが成果を生むまでにはまだまだ時間がかかるという。こうした取り組みの初期のものではブレードサーバに接続するスイッチの標準化があったと同氏はいう。
2004年の第2四半期に、IBMは1億100万ドル相当のブレードサーバを販売したが、これは全体で2億3300万ドルの市場の44%にあたる。このため同社はかなりの影響力を行使できると考えられる。
IBMは、中立な立場の標準化団体にブレードの設計を委ねるよりも、同社とIntelがつくった設計を事実上の標準にするほうを好むのかという質問に対し、Doughertyは回答を避けた。「それを決めるのは顧客であって、われわれではない」(Dougherty)
しかし、HP(市場シェア32%)とDell(同3%)は明らかに中立的な標準化団体による仕様の決定を望んでいる。
「HPの立場からすれば、業界標準をつくるほうが確実に好ましいと考えられる」と同社のブレード担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャのRick Beckerはいう。「ある仕様をまとめ、それを試していくというやり方では、標準などできはしない。今回のIBM-Intelの発表は、自社の現行製品の販売先を拡大しようとするIBMの押しつけだ、というのが私の意見だ」(Becker)
HPは、以前IBMがBladeCenterを事実上の標準にしようと動いた時にも、これに反対していた。
DellもHPと同じ考えを持っている。「何らかの独立したワーキンググループがあればいいと思う。われわれとしては、従来の標準策定プロセスを経る形で、ブレードサーバの仕様をまとめたいと考えている」(Dell広報担当のWendy Giever)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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