オープンソース提唱者のB・ペレンズ、「UserLinux」ベータ版を9月1日リリースへ

 サンフランシスコ発--Red Hat Linux並みの利便性を企業顧客に無料で提供する目的で開発されたUserLinuxのテストバージョンが9月1日にリリースされる。

 UserLinuxの設立者でオープンソースの提唱者でもあるBruce Perensは、LinuxWorld Conference and Expoでの講演で、「第1ベータを9月1日にリリースする」と述べた。「UserLinuxはエンタープライズLinuxだが、高額な価格はつけていない」

 UserLinuxは、「小規模」ながらもパートナー企業から、編成を計画中のサポート認定企業グループに加わる約束をとりつけ、サポートプランの面で進展を見せている。しかしもうひとつの重要な分野での進展--ソフトウェアパートナー各社に、各社の製品が無料のUserLinuxと連携することを保証させる作業--は、まだ十分とはいえないとPerensは述べている。

 Linuxディストリビュータ最大手のRed Hatでは顧客に対し、同社ソフトウェアを使用するサーバ1台ごとに、別途サポート契約を購入するよう要求している。Linux自体は無料でダウンロードできるが、Red Hatではサポートおよびアップデート料として毎年サーバ1台ごとに299ドルの料金を徴収している。

 Linuxディストリビュータ第2位のNovellは、SuSE Linux製品サポート料として年間サーバ1台あたり最低349ドルの料金を徴収している。両社とも、より強力なサーバで利用する場合には契約料を高額に設定しているが、サーバを利用する各コンピュータに追加「クライアント」料をかけるという、ソフトウェア業界の習わしは行っていない。

 Perensは、彼が開発に協力したソフトウェア--「Electric Fence」というデバッグツール--をLinux商用バージョンが利用する際の条件に不快感を募らせ、UserLinuxプロジェクトをスタートさせた。

 「Red Hat Enterprise Linuxの中に入っているソフトウェア製作者の1人として、企業ユーザーの多くがLinuxソフトウェアに200ドル、300ドル、400ドルものお金を支払っている事実に不快感を感じるようになった」(Perens)

 顧客が料金を払わねばならないものの1つに他のソフトウェアとの連携保証があるが、PerensはUserLinuxではこの点に関する進展を期待している。

 「われわれにはまだ、(連携動作が)保証されたプロプライエタリアプリケーションがない。来年には実現すると考えている。顧客数が増加すれば、われわれは業界大手に「お宅のソフトウェアを(UserLinuxに)対応させてください」と言えるようになる」とPerensは述べている。

 UserLinuxの他ソフトとの連携のうち少なくとも一部は、Linux Standard Baseへの準拠によって実現する、とPerensは述べた。Linux Standard Baseとは、Linuxの一部の活動を標準化するためのガイドラインだ。

 Perensは、長年にわたってDebian Linuxを支持してきており、UserLinuxもこのDebianをベースにしてつくられたものである。こうすることで、UserLinuxの開発やそれを管理する組織を一から改めて作り直す必要がなかったと同氏は述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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