ワークスアプリケーションズ、中国ERP市場に進出

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年07月20日 21時03分

  ワークスアプリケーションズは7月20日、中国でのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を手がけるインフォデリバと提携し、ERPパッケージソフト「COMPANY」を中国で販売すると発表した。2005年1月に販売を開始し、初年度3億円の売上を狙う。

  両社は8月末をめどに、中国語版の開発・販売を行うワークスインフォ・アプリケーションサービス有限公司を中国江蘇省無錫市に設立する。資本金は6154万円で、ワークスが65%、インフォデリバが35%を出資する。販売は北京・大連・上海・無錫・珠海の5拠点で開始する予定だ。

 COMPANYは従業員1000人以上の大手企業向けERPパッケージソフト。海外ベンダーのソフトに比べてカスタマイズが少なくて済むことから人気を集めており、矢野経済研究所の調査によれば人事管理分野で49.7%のシェアを持つという。

ワークスアプリケーションズ代表取締役CEOの牧野正幸氏

  中国市場参入の理由について、ワークスアプリケーションズ代表取締役CEOの牧野正幸氏は「製造業が多く、従業員が20万名以上の企業が東北地方だけでも数十社ある。その一方で、人事管理をいまだに紙のファイルで行っている企業も多い」と潜在市場の大きさを指摘。さらに日本に比べて受託ソフト開発の割合が低く、パッケージソフトの導入意向が強い点も魅力だとした。

  「中国企業は日本企業に比べてノーカスタマイズへの抵抗が少なく、意思決定も早い。さらに日本の大企業で多く採用されている点が中国で評価されている」(牧野氏)

  同社の調査によれば、現在国内で販売しているCOMPANYをそのまま中国市場に持ち込んでも97%の業務適応率を見せるといい、中国向けのカスタマイズはほとんど行わない予定だ。

 国内ではパッケージソフトとして売られているCOMPANYだが、中国語版はASP型で提供するという。これは、「パッケージの売り切り型よりも資金回収がやりやすい。また、中国企業は今後急激に規模が大きくなる可能性があり、初期投資が低いASP型のほうがユーザーにとってメリットがあるため」と牧野氏は説明した。初年度3億円、2008年度には100億円以上の売上を目指すとしている。

国内企業向けのBPO事業にも参入

  両社は国内企業のバックオフィス業務を請け負い、中国で代行処理するBPO業務にも参入する。20日付で国内での営業活動を行うワークスグローバルサービスを設立した。資本金は2000万円で、出資比率はインフォデリバが51%、ワークスが49%。9月には中国で業務処理のオペレーションを行う企業を設立する。この企業はワークスグローバルサービスの100%子会社となる予定だ。

 ワークスグローバルサービスでは、インフォデリバが持つ中国での人脈を生かし、初年度に日本語の話せるオペレータ100名を確保する方針。人件費の安い中国のスタッフを活用することで、「バックオフィスのBPOを従来の3割から5割程度割安な価格で提供する」(牧野氏)としている。

 また、今回の提携に伴い、ワークスは8月下旬までにインフォデリバの株式を取得し、持分法適用子会社とする予定。ただし具体的な出資比率はこれから決めるとしている。

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