IBM、Power5搭載の新Unixサーバを発表--SunとHPを追い抜けるか - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News.com)2004年07月14日 10時33分

今後の技術見通し

 Powerプロセッサの今後の開発計画は、至ってシンプルだ。IBMは今年Power5をリリースし、2005年にはより高速なリメークとなるPower5+を、2006年にはPower6、2007年にはPower6+、2008年にはPower7、2009年にはPower7+をリリースする、とPower7モデルの設計責任者に任命されたばかりのArimilliは説明している。

 また、Power5には1台のプロセッサに2台分の処理を行わせることが可能な「Simultaneous Multi-Threading(SMT)」技術が含まれている。IBMによると、この技術を使えば性能は約30%向上するが、ただしこれを利用するには最新のAIXバージョン5.3が必要になるという。

 16基のプロセッサと128Gバイトのメモリを搭載した400万ドルのp5 570に、IBMのDB2データベースソフトウェアを組み合わせたシステムは、広く注目を集めているTransaction Processing Performance Councilのデータベース性能評価テスト「TPC-C」で1分間に80万900回のトランザクションを達成した。これは単一のシステムの成績としては第3位の処理速度にあたる。1位はPower4チップを32基搭載したIBMのp690、2位はItanium 2を64基使用したHPのSuperdomeだ。

 Power5サーバの主な新機能の1つに、最大で10種類の異なるOSを取り扱える「マイクロパーティショニング」がある。この機能を使うことで、管理ソフトウェアが処理負荷の変動に応じてリソースを自動割り当てできるので、複数のシステムから一箇所で管理された1つのマシンへの移行がやりやすくなる。

 Power4世代の技術には、各パーティションにネットワークやストレージシステムのためのアダプタがそれぞれ必要になるという大きな弱点があったが、この新パーティショニング技術はこの問題を解決するものだ。

 「Power4では、ある時点からコストが高くなりすぎて、論理パーティションを切れなくなった」と、家電メーカーWhirlpoolのシニア主任システムアーキテクト、Robert Gamsoは述べている。Whirlpoolは長年IBMのUnixサーバ顧客で、約100台のシステムを導入している。

 IBMは、2005年のPower5+でパーティショニング技術をさらに柔軟性のあるものに変え、マシンがあるパーティションから別のパーティションに素早く移行できるようにする。この機能は現在も利用可能だが、ただし利用できるのは比較的低速なネットワークストレージシステムを使う場合に限られる。Power5+システムでは、通常のイーサネットネットワークでも「数秒で」パーティションを移行できるようになる、とArimilliは語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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