AdobeやSalesforce、IBMなど一部企業では採用
Macromediaの他には、Adobeもこうしたユーザー同士の交換をサポートしていることでよく知られている。同社の「Adobe Studio Exchange」には、Photoshopなどの人気アプリケーション用のフィルタやブラシといった無料アドオンが何百も公開されている。
Mid America Productionというビデオ制作会社のマルチメディアデザイナーであるKarl J. Sneathは、Photoshopの「アクション」(特殊なタスクを自動で行なうスクリプト)を75種類以上も提供してきた。Sneathは、ユーザー同士のこうした交換が自分や他のPhotoshopユーザーの間でうまく機能しているのは、コミュニティの利他主義な感覚のおかげだと述べている。
「このコミュニティでは、世界中の非常に才能のある人々が、自由に知識や経験を共有している。交換は金儲けのためではない.....ここでは全てが無料なので、新規ユーザーがソフトウェアの知識を深めたり、能力を高めたりしやすくなっている。また経験者たちには、クリエイティブであり続け、作品の質を向上させていくやりがいがある」(Sneath)
カナダのグラフィックアーティストでAdobe Studio Exchangeにアドオンを提供しているTrevor Morrisは、オンラインコミュニティに参加し、恩返しすることが楽しいと話す。「純粋に、他の人々を助けているという満足感なのだと思う」(Morris)
Salesforce.comも、顧客同士の交換をサポートしている企業として有名だ。同社のsforceサイトでは、セールス管理ソフトウェアを機能拡張したものやカスタマイズしたものが数十種類も提供されている。
IBMも長年Sandboxサイトを運営し、Lotusオフィスソフトウェアの顧客同士によるアドオンやカスタマイズ作品の交換をサポートしている。
Sandboxサイトは当初宣伝ツールとして始まったが、その後コミュニティとしての役割が大きくなった、とIBMのLotus Workplace部門主任開発者のCraig Lordanは述べている。
「Lotusの顧客がどのように作業しているかを示す、スマートな方法だ。機能の中には、(欲しい新機能に関する)ユーザー同士の議論から生まれたものが多数存在する」とLordanは述べ、「ユーザーたちはいくつかの機能をまとめて、他の人々と共有している。われわれは、こうしたオープンソースの感覚を奨励したいのだ」と付け加えた。
IBMでは、ユーザーが作成した無料の拡張機能と、開発者が有給で開発し有償で提供しようとするものとを分けている。多くのソフトウェアメーカーは、ユーザー同士の交換サイトを設けない理由として、無料のアドオンが有料のものへの需要に影響する懸念を挙げているが、Lordanはこうした影響が生じている証拠はないと述べている。
「営利目的のものと競争するつもりは毛頭ない。このフォーラムでは、たとえば音楽CDを管理するためのテンプレートのような、ちょっとした便利なものが手に入る。どれも、アプリケーションをもっとうまく活用するための、ちょっとしたプログラムだ。これと対照的に、IBMの開発者が商用で開発するのは、もっと規模の大きなものだけだ」(Lordan)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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