Linux裁判で強気の発言を続ける米SCO

 米SCO Groupの最高経営責任者(CEO)、Darl McBrideが、Unixの知的財産権をめぐって続けている争いのなかで、今度は合衆国建国の父たちまで引っ張り出した。

 McBrideは12月4日(米国時間)、SCOのウェブサイトに掲載した公開質問状の中で、Unixから派生したLinuxの配布を規定しているGeneral Public License(GPL)が、米連邦議会が制定した著作権法と特許法を侵害しており、故に違憲であると主張した。同氏はさらに、自社のもっとも手強い2つの相手の名を挙げ、連邦政府の定める著作権による保護を認めていないとして、この両者を厳しく批判した。

 「過去20年間にわたって、フリーソフトウェア・ファウンデーション(FSF)や、オープンソースソフトのムーブメントに参加してきた者たちは、著作権や特許に関する米国およびヨーロッパの制度の土台を、積極的かつ意図的に揺るがす行為を続けている」と、McBride。「米Red Hatの見解は、現行の米国知的財産法は『ソフトウェア開発における革新を妨害』し、しかも『ソフトウェアに関する特許は、オープンソース/フリーソフトウェアの考え方と矛盾する』というものだ」(McBride)

 FSFはオープンソースの業界団体であり、またRed HatはLinuxの大手ディストリビューターだ。

 この書簡のなかでMcBrideは、Linuxに関する同社の主張を巡って現在進行中の論争が、「元々の(IBMとの)審理が始まる18カ月先までは、少なくとも激しく続くだろう」と語った。

 Linuxの法的基盤となっているGPLは、1980年代にUnixのクローンを開発するGnu's Not Unix(GNU)ソフトウェアプロジェクトを管理する目的で、Richard Stallmanによって策定された。同ライセンスでは、修正を加えた者がその修正バージョンを配付する際にはこれを公開するとの条件つきで、プログラムのソースコードをだれでも入手・修正・配付できるとされている。

 McBrideは、米国連邦議会と欧州連合が制定したそれぞれの著作権法および特許法は、「世界全体で1860億ドルというソフトウェア業界、そしてIT業界全体がさらに成長・発展する」ために不可欠なものと主張。同氏はまた、知的財産権の保護を狙ったDigital Millennium Copyright Act(DMCA:デジタルミレニアム著作権法)という、賛否渦巻く法律が、Linuxに対するSCOの主張の正しさを証明するのに役立つとも記している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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