日立の米コンサルティング子会社、太平洋をまたいだビジネス展開へ

 米Hitachi Consultingは、文化的背景を利用した事業拡大を計画している。

 日本の大手総合電機メーカーの1社である日立が、米国に設立したコンサルティング/サービス子会社は、日本と北米の両方の商慣習を熟知しており、海を越えたこの専門知識を武器に事業の拡大を目指している。Hitachi Consultingは、北米に本社を置く企業の日本およびアジアへの進出支援や、米国に本社を置く日本企業の業務支援を狙っている。

 Hitachi Consultingのマーケティングコミュニケーションディレクター、Jim Budkieは、「日本企業の米国子会社である当社には、日系企業のビジネスモデルや命令系統、そして日本の親会社とのつながりなどに関して、他のどこよりも多くの洞察があると思う」と語った。

 米国ではIBMやGeneral Electricほど有名ではないが、日立は実際かなりの大企業だ。半導体から原子力発電所、そして洗濯機まで、さまざまな製品を製造する同社は、2003会計年度(3月31日締め)に通期で683億ドルの売上高を計上している。

  この全体の売上高に比べれば、ごく僅かなものかもしれないが、テキサス州ダラスに本社を構えるHitachi Consultingの売上も、この一部として貢献している。業務および情報技術のコンサルティングを提供する同社には約725人の社員が勤務しており、昨年の売上高は約1億2000万ドルだった。だが、同社はいま急速に成長中である。社長のMichael Travisは最近行われたインタビューの中で、過去2カ月間に23社のクライアントから契約を獲得したことを明らかにした。同社では、今年の年間売上高が約8%増の、およそ1億3000万ドルに達すると予想している。

 このような成長を見せてはいても、同社はその程良いサイズの規模をマーケティングの武器に利用し、IBM、Accenture、BearingPointなどの大手アウトソーシング企業に代わる選択肢として自社を位置付けている。

 Hitachi Consultingでは今夏、アプリケーション開発、調達、そして人事といった顧客の業務をアウトソースする計画を立ち上げた。Travisは今年初めに発表した声明の中で、「(クライアントに)欠けているのは、大手アウトソーシングプロバイダーでは話が小さ過ぎて興味を示さず、専門のニッチプロバイダーでは対応しきれない特定のアプリケーションやプロセスをアウトソースできる本格的な選択肢だ」と述べている。

 このアウトソーシングに関する取り組みは日本の親会社の採る戦略とよく似たものだ。日本の日立は、およそ2年前にアウトソーシングビジネスを開始し、これまでに約500社の日本企業から契約を獲得してきている。

 他のITサービスベンダーと同様に、Hitachi Consultingでもいくつかの業務をインドへ移管してきており、今後もこうした海外アウトソーシングの仕事量が増えていくだろうと、Travisは述べている。だが、いまのところ、同社のビジネスのなかで海外に移管しているものは、全体の5%に満たないという。さらに、同社は米国内での人材採用を進めていると、Budkieは語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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