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米レッドハット、企業向けLinux OSの最新版を発売へ

2003/10/22 22:56
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 大手Linuxディストリビュータの米Red Hatは22日(米国時間)、企業向けLinux製品の最新版Red Hat Enterprise Linux(RHEL)3.0の発売を開始する。これをきっかけに、同社ではいくつかの新しい市場への進出を図る。

 バージョン番号は3.0だが、この製品は同社が安定性を重視する企業ユーザー向けに特別に設計したLinuxの第2版に当たる。同社によると、今回の最新版の特徴としては、Javaソフトウェアやデータベースの実行速度を高速化し、複数のメインフレームやいくつかの他の新型コンピュータ上で実行可能となり、また32プロセッサ構成の高性能ハードウェアの性能を生かし、さらに、より便利なプログラミングツールが付属するという。

 Red Hatは長年、インターネット上で無料で入手可能なLinuxの、自社ブランド版の販売で利益獲得を目指してきた。そのRed Hatにとって、RHELはまさに主力製品にあたる。RHELは、ソフトウェア、サポート、バグフィックスを含んだ1年間単位のサブスクリプション契約の形で提供されており、同社の売上増加に貢献してきた。

 「(RHELのおかげで)同社は黒字化に成功した。まさに劇的な変化だ」とC.E. Unterberg, Towbinのアナリスト、Katherine Egbertは語る。長期のサブスクリプション契約という売上げの性質から、それが急増することはあり得ないが、今後、IBM、Dell、Hewlett-Packard(HP)といった提携企業を通じて、同社はさらに売上げを伸ばすだろう、とEgbertは予想している。

 Red Hatにとって、RHELの改良は、主要な競合企業2社と争う上で、極めて重要だ。同社は、Unix OSを販売するSun Microsystemsらに対する攻撃の手を緩めるわけにはいかず、またMicrosoftとも戦わなくてはならない。Microsoftは、デスクトップコンピュータ市場をほぼ独占しており、また高性能ネットワークサーバコンピュータ市場でも最大のシェアを誇るなど、多くの強みを持つ。

 さらに、Red Hatは、ライバルである独SuSE Linuxの勢いを何とか食い止めなければならない。Red Hatは長年、メインフレーム市場でSuSEの後塵を拝してきている。SuSEは、ハード/ソフトウェア企業との提携数でもほぼRed Hatに並んでおり、Linuxの人気が高い欧州市場に強いが、とりわけ欧州各国の政府にはMicrosoft製品の導入を敬遠する意向が強く見られることも、SuSEに味方している。

  Red Hatの話では、HP、IBM、Dell、富士通、日立、NECなど、大手サーバ販売企業の大半が、それぞれのシステムにRHELを導入するという。今年になって、Red HatとSuSEのLinuxをサポートしたばかりのSunでは、2003年末までにRed Hat Linuxの導入を開始すると、同社の関係者は語った。

新たなスレッド技術を採用

 最新版RHELで最も重要な改良点の1つは、同OSの隠れた部分の見直し、すなわち、スレッド(Thread)と呼ばれる独立して実行可能なプログラミングタスクを扱うための、新たなメカニズムを導入した点だ。

 「スレッディングの拡張性については、サポートできるスレッドの数が1200から3万2000に増加した。Javaへの影響は驚くべきものだ」とRed HatのOS開発担当バイスプレジデント、Brian Stevensは語る。「(スレッディングの拡張は)恐らく最も重要な技術的取り組みであり、顧客に対するインパクトも最も大きい」(Stevens)。

 このNative Posix Threading Library(NPTL)と呼ばれる新しいスレッドシステムについては、第三者もその有用性を認めている。McDonald Investmentsのアナリスト、Brent Williamsは、「NPTLがJava陣営を後押しすることは間違いない」と語った。

 優れたスレッディング技術は、Javaやデータベースソフトを強化するだけでなく、OSがマルチプロセッササーバの全てのハードウェアを利用する際の効率を改善する傾向もある、と米IDCのアナリスト、Dan Kusnetzkyは指摘する。

 Javaの性能が向上することにより、Javaプログラムを実行するための"アプリケーションサーバ"など、これまでLinuxがうまく稼働しなかったローエンド/ミッドレンジサーバ上での、Linuxの稼働効率が高まる可能性がある。

 Unix製品では、長年、多くのスレッドをうまく処理できていたが、Linuxは、Red Hatの2人のプログラマー、Ulrich DrepperとIngo Molnarが新しいスレッディングソフトを開発するまで、Unixに遅れを取ってきた。このソフト開発にはIBMも一部協力した。同社も独自のLinuxスレッディング計画を開始したが、Linux界のリーダーであるLinus TorvaldsがRed Hatのアプローチを支持する発言を行ったことを受けて、計画を中止した。

 「IBMは、同社の計画が問題だということで、皆の注目を集めた。しかし、もっと重要なのは、IBMが(Red Hatに)より優れたソリューションがあると気付いた際に、それと競争する代わりに、自らもそちらを選んだということだ」(Stevens)。

 NTPLは、Linux kernelの次期バージョン、Linux kernel 2.6に採用された。Linux kernelは、Red HatのLinux製品のような、より大規模なLinux OSの中核部分を構成する。Red Hatは、RHEL 3.0の基礎となった現在のLinux kernel 2.4用のスレッディングソフトを開発した。

 これに対して、SuSEでは、スレッディングについてのRed Hatの決断が最良のアプローチだったとは考えていない。というのも、Linux kernel 2.4に必要な改良があまりに広範囲に及ぶからだ。SuSEの開発リーダーを務めるMarkus Rexはインタビューの中で、「NPTLはもともと、Linux kernel 2.6向けと想定されていた。我々はその考えを貫く方が賢明だと考えた」と語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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