米サン:米MSの権利管理システムは、「プロプライエタリ思考の極み」

 米Sun Microsystemsは、米MicrosoftがOffice 2003に搭載する予定の文書保護ツールについて、企業向けデスクトップOS市場における同社の独占状態をさらに強化するものとして、これに対する懸念を表明している。

 ZDNetオーストラリアは今週、これまでSunの社外に一切公表されなかった文書を入手した。その中で、Sun MicrosystemsのソフトウェアプロダクトマネジャーのLaurie Wongは、文書の権利管理技術を導入するのは肯定的な措置といえるが、ただしMicrosoftはこの権利管理制度を自社の「独占的地位」を守るために使っていると主張している。

 Wongによると、Microsoftが権利管理サービスを採用したことで、同社のファイル保存フォーマットにオープン標準を採用することで生まれたかもしれない好ましいインパクトが、すべて無に帰してしまうという。

 「要するに、Microsoftは一方では保存フォーマットを独自のバイナリ形式からオープンなXMLへと変更して、オープン化を進めていると主張しながら、もう一方では、そのオープンなフォーマットに権利管理技術で鍵をかけてしまったということだ」(Wong)

 Wongの主張によると、Windows RMS(Right Management System)は文書保護システムとMicrosoftの最新サーバ技術の独自機能とを組み合わせることで、Microsoft以外の製品を利用するコミュニティのメンバーを閉め出してしまうという。

 Windows RMSは、文書の作成時に、それにアクセスできるユーザーとその利用方法を指定することで、企業が文書を管理できるようにするというもの。

 Windows RMSでは、個々の文書に添付した制限リストを、RMSに対応するMicrosoftサーバに登録する必要がある。サーバでは各ユーザーの認証を行い、RMSで保護された文書を利用するためのライセンスを発行する。つまり、RMSサーバにアクセスできないユーザーは、保護された文書から事実上閉め出されてしまうことになる。

 Microsoftは、今年初めに権利管理技術を発表した際、周囲の懸念の声に対して、RMSは社内利用を目的としたもので、利用範囲を拡大するときには、これをPassportサービスに組み込めるとしていた。

 しかし、Wongはいずれの主張にも満足していない。Wongは、技術を持つ者と持たざる者とが分かれる方向にあることを認めながら、広範に普及した文書フォーマットにアクセスするという目的のためだけに、ユーザーが特定の企業の製品購入を余儀なくされるべきではない、としている。

 Wongの懸念に追い打ちをかけるように、Microsoftは権利管理技術を電子メールやWebページにも付加する機能を、Outlook 2003とInternet Explorerに追加している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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