米デル幹部:「コモディティこそ技術革新の生みの親」

 ニューヨーク発--ますます多くのコンピュータが規格部品を利用して組み立てられるようになった。この規格部品を単なる「コモディティ(消耗品)」と考えているIT業界の人間も多いが、米Dell社長のKevin Rollinsは、パソコンの標準化が進んでも、PC市場での革新性や創造性は失われてはいないと述べた。

  Rollinsは16日(米国時間)、TechXNYカンファレンスのPC Expoトレードショーで基調講演を行い、米Intel製プロセッサのような規格部品が広範囲に使われるようになったおかげで、Dellでは市場シェアと利益率を共に伸ばし、いっぽう顧客の側でもPCテクノロジー利用方法が改善できたと論じた。

 「テクノロジー衰退期に突入したという考えには、我々は同意しない」(Rollins)

  コンピュータ業界は成熟しつつあるが、それが市場の成長を鈍化させているわけではなく、むしろ大量のコンピュータを管理するのにたくさんの費用がかかっているといった事柄は、パソコン業界が依然成長を続けている証だとRollinsは述べた。

 面白味のない商品をいくつも設計する代わりに、規格部品はコンピューティングクラスタのような、過去には実現できなかった技術革新を可能にしたとRollinsはいう。

 Rollinsは、この現象を「オープンイノベーションモデル」と名付けた。この現象のおかげで、Dellのような企業は標準的なコンピュータからクラスタのような機器を構築することが可能となったという。

 現在、商品開発は標準的なテクノロジーの新しい利用方法を見出すことに移っていると、Rollinsは説明する。

 「オープンイノベーションモデルは、ある問題に対してより多くの発想や見方をもたらし、またより素早く解決策を市場へもたらす」(Rollins)

 テクノロジーのコストが下がるにつれ、より多くの企業が高性能コンピュータを利用できるようになるだろうと、Rollinsは述べた。

 「品質は上がり、費用は下がる。そして、この好循環が継続する」とRollins。「(情報技術の)標準化は技術革新を推進するものだと、我々は強く確信している」(Rollins)

 Rollinsのオープンイノベーションというコンセプトは、同社が収益目標を達成するためにも重要なものだ。

 Dellは、今後数年間で、サーバとストレージの売上げを伸ばし、またそのインストールやメンテナンスといったサービス事業を拡大させて、現在のおよそ2倍にあたる600億ドルの年間収益をあげ、同時に市場シェアも拡大するとの目標を達成しようとしている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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