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「いらないシステムを捨ててスリムになろう」:インフォテリアの新コンセプト、SLiM

2003/09/12 20:07
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 現在の情報システムが抱える課題の解決策として、インフォテリアが提唱する新しいコンセプト、SLiM(システム・ライフサイクル・マネジメント)。これは情報システムの利用状況を可視化することで、システムのライフサイクルを適切に評価し、保守コストの削減に結びつけるという考えだ。9月12日に開催されたInfoteria Day 2003にて、インフォテリア製品企画部部長の江島健太郎氏がこのコンセプトについて語った。

 江島氏は、情報システム投資の現状として、既存システムのランニングコストがIT投資の約70%を占めていて、新規システムへの投資が30%程度にとどまっている点を指摘、「システムのレガシー化および複雑化に伴い、現状維持のための後ろ向きな投資が中心となっている」と語る。ここで江島氏の言うレガシーシステムとは、単に古いシステムを指すのではなく、「無駄が多く、仕様が不透明で、運用が属人的なシステム」のことだ。

 なぜシステムはレガシー化するのか。それは、「システム保守のやり方に原因がある」と江島氏。システム保守とは、ビジネス要件の変化に合わせてシステムの機能に追加や変更、削除などを行うことだが、「機能の追加が行われることは多いが、変更や削除に関しては、“とりあえず動いているから”、“他への影響があるかもしれないから”などの理由でほとんど行われることがない」という。その結果、使われない機能やデータ項目が増え、使いにくいシステムへとなっていくわけだ。

インフォテリア製品企画部部長、江島健太郎氏

 「システム全体の中で使われている機能は、時間とともに少なくなっていく。つまりシステムの品質は時間とともに劣化するということだ」と江島氏。そこで同氏は、システムのライフサイクルを見極めるため、IT資産の価値を計算すべきだという。これがSLiMの評価指標だ。「まずシステムの中で生きている機能と死んでいる機能を合算し、それをシステムから得られる利益で割ってみる。そこで得た数字がReturn on Asset(ROA:総資産利益率)であり、これによってシステムの妥当なスループットを見ることができる」(江島氏)。システムというものは、保守によって総資産が一方的に増えていくという特徴があるため、「価値を生まなくなったIT資産は負債であり、この負債を排除するプロセスを確立することが大切だ」と江島氏はいう。

 江島氏はまた、SLiMによってシステムの品質劣化を抑制することができるという。SLiMのアプローチは、開発と運用のプロセスを改善し、保守効率を維持するというもの。「これまで開発と保守は区別されすぎていた。しかし保守の付加価値は高く、日々の保守が再構築にうまくつながるようにすることでシステムの品質が維持できる」と江島氏。SLiMのアプローチでは、開発のスーパースターも保守を行うのだと同氏はいう。

 このコンセプトは、従来のウォーターフォール型のプロジェクト管理を否定するものだ。ウォーターフォールでは要件や仕様がすべて最初に定義されていることが前提だが、「システム開発とはシステムのライフサイクルを徐々に構築することであり、保守もこのライフサイクルの延長上にあるべき」と江島氏は述べ、「これからはスパイラル型のプロジェクト管理をすべきだ」という。インフォテリアがSLiMのコンセプトと同時に発表したAsteria 3は、開発・テスト・ドキュメンテーションから保守に至るまで自動化しており、スパイラル型プロジェクト管理を支援していると、同氏は自社製品の宣伝も忘れなかったが、このSLiMというコンセプトでシステム品質が向上するという点は期待が持てそうだ。

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