米SCO、次の標的はSGI?

 UnixのコードをLinuxに不法コピーしたとして、米IBMに30億ドルの損害賠償を求める裁判を起こした米SCO Groupだが、今度は米Silicon Graphics(SGI)を標的にしようとしている可能性がある。

 SCOは5日(米国時間)、今後どのような法的手段に訴えるかとの問い合わせに関してはコメントを拒否したが、SCOでUnixからの知的所有権収入を増やす取り組みを担当するシニアバイスプレジデント、Chris Sontagは、SGIが次のターゲットであることを示唆する2つの事柄について語った。

 まずSontagは6月に、IBMの他にも北米の大手ハードウェアメーカーを相手取った訴訟を起こすことを検討中だと述べた。次に、SCOが8月に、Linuxコードについての申し立ての一部を詳細に説明した際、SontagはSGIのファイルシステムソフトXFSを、「Linuxカーネルのバージョン2.4もしくは2.5に組み込まれた、Unixの著作権を著しく侵害している派生コードの例」のひとつに挙げていた。

 SGIは、XFSをオープンソースプログラムに転換することは契約でも認められている、と述べている。「Linux向けにXFSをオープンソースとしてリリースしたことは、SCOのUnix契約と矛盾しないと考えている」と、SGI広報Marty Colemanは述べている。Colemanは、SGIがSCOと交渉中かどうかについてはコメントを避けた。

 SCOが、SGIを相手取って新たな訴訟を起こせば、IBMに対する訴訟と、全ての商用Linuxユーザーに、サーバ1台ごとに数百ドルのソフトウェア利用料を同社へ支払わせようとするキャンペーンに加えて、同社はまた新たな大仕事を背負い込むことになる、。しかし、SCOには、訴訟以外にもやり方はある。同社は最近、Linuxユーザーを訴えるのではなく請求書を送りつけるなど、より穏やかな手段を選ぶようになっている。

 ファイルシステムとは、オペレーティングシステム(OS)の一部で、ハードディスク上のデータの読み書きを制御する。XFSは、Linuxで利用できる複数のファイルシステムの1つで、操作のログを保存して故障時の修復を容易にする、ハイエンドの「ジャーナル」機能がついている。

 SGIはもともと、UnixのIrixバージョンが稼動するサーバ用にXFSを開発した。Unixはもともと、米AT&Tで開発されたものだ。SGIは1999年、Linuxをサポートする計画の一環として、Linux向けにXFSのオープンソースバージョンをリリースした。

 SGIはビジネス面で苦戦を強いられ続けてきているが、XFSに関する計画のほうは成功を収めた。Linuxの生みの親であるLinux Torvaldsは、2002年9月にXFSを標準的なLinuxの開発カーネルのなかに採り入れている。

 SCOのSontagは、8月に行ったプレゼンテーションのなかで、LinuxのなかにあるXFSには、同社の知的所有権を侵害する合計173ファイル、11万9130行のコードが含まれていると説明した。これは、SCOがLinuxの侵害箇所と主張する1549 ファイル、114万7022行のコードのなかでも、大きな部分を占めている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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