米IBM、Masalaデータツールに検索技術を組み込む

 米IBMは、検索技術分野で進めている研究結果を、異なるデータソースを結びつけるための自社ソフトウェアに追加する予定だ。

 同社は、ネットユーザーがウェブ上で検索を行うのと同じ要領で、企業のデータベースについても検索が行えるようにするために、WebFountainと呼ばれる研究プロジェクトの成果を利用すると述べた。その機能は、DB2 Information Integratorの次期バージョン(コード名:Masala)に組み込まれることになる。IBM幹部が先週語ったところでは、この製品の登場時期は2004年後半となる見込みで、早期プレビューとテストプログラムの実施は、今年末になるという。

 「我々は、ユーザーが大量の企業データやコンテンツから情報を取り出そうとする際に感じるフラストレーションの低減に取り組んでいる」と、IBMで情報統合(Information Integration)部門のディレクタを務めるNelson Mattosは語る。「Masalaは、Advanced Enterprise Search Technologyの一連の技術を使って、ユーザーがあらゆる種類のデータに自由な形式でアクセスできるようにするものだ」(Mattos)

 DB2 Information Integratorは、IBMが2003年前半に発表したDBMSで、企業データベースから表計算のようなPC用アプリケーションのデータまで、多種多様なデータソースからの情報照会を可能にする製品。このソフトウェアでは、巨大な統合データの集合体であるデータウェアハウスのような環境を構築しなくても、一台のディスプレイ上にこうした検索の結果を表示できる。

 Masalaには、「Web Crawling」と呼ばれるデータ収集技術や、IBM幹部が「Google on steroids」(Googleを強力にした化け物)と呼ぶWebFountainの技術が取り入れられる。Mattosによれば、これらの機能により、企業ユーザーは社内システム全体にテキスト検索をかけ、最も関連性の高い情報を見つけ出すことが可能になるという。また、IBMではWebSphere Portalソフトウェアにも、こうした高度な検索技術やデータ統合ソフトを使うことになるだろうと説明する。

 さらにMattosは、Masalaが分散したデータソースから集めた情報を分析するように設計されているとも述べている。同製品では、ユーザーがマルチメディアファイルやパッケージアプリケーションなど、さまざまなデータでも利用できるようになるという。また、来年のMasalaリリースに合わせて、DB2 Information Integratorの管理を容易にするツールの登場も見込まれている。

 IBMは、データ統合、あるいはEII(Enterprise Information Integration)と呼ばれる技術分野に投資しているメーカーの1つ。Javaアプリケーションサーバで知られるBEA Systemsは、Liquid Dataと呼ばれるXMLベースのEII製品を持っている。また、競合のひとつには、EIIにフォーカスした新興企業のMetaMatrixが挙げられる。さらに、今年7月には、Actuateという企業が、Nimble Technologyという別の新興企業を買収している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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