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米IBM、オンディマンド用ソフトを9月末に発売へ

2003/09/02 18:30
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 米IBMは9月末に、新しいソフトウェア製品をリリースし、同社の掲げるユーティリティコンピューティング構想のメリットの一部を顧客が試せるようにする。

 IBMは、新製品Tivoli Intelligent Orchestratorの売り込みを開始した。この製品は、今年5月に同社がソフトウェア開発会社のThink Dynamicsを買収した際に獲得したもの。IBMのTivoli Management Softwareグループのマーケティング担当バイスプレジデント、Sandy Carterによると、このソフトを使用することで、行う作業の必要に応じてサーバ群の計算能力を自動的に加減できるという。

 現在IBMは、Project Symphonyというコード名で、より広範な取り組みを進めており、今回のIntelligent Orchestratorはその基礎となる製品だ。同社は9月末か10月に、Project Symphonyについての詳細を発表し始める予定。Symphonyには顧客向けに幅広いオプションが用意されている。Intelligent Orchestratorを組み込んだハード/ソフトウェアのバンドルもその1つで、いずれはIntelligent Orchestratorのインストールや、同ソフトを使って業務を行うための様々なサービスを提供していく予定。

 IBMは、開催中の全米オープンテニス選手権でIntelligent Orchestratorが使用されている様子を披露している。今回はIBM社内に設置されている複数の「pSeries」UNIXサーバを使用し、同選手権のウェブサイトの運営と、IBM Research向けの癌に関連する蛋白質の計算を交互に行う。Carterによると、Intelligent OrchestratorはIntelベースのxSeriesサーバ1台に搭載し、そのサーバを使ってpSeriesサーバ群を制御しているという。

 IBMはIntelligent Orchestratorで、ユーティリティコンピューティングで有望視される基礎的要素の1つに取り組んでいる。これは、IBMでは「e-business on-demand」、そのほかの企業では「adaptive(適応型)」、「dynamic(動的)」、または「organic(有機的)」コンピューティングと呼ばれているものだ。この構想では、現在は別々に設置されているサーバ、ストレージ、ネットワーク機器が、ほぼ完全な性能を発揮できるようにひとつにまとめられ、ある重要な業務で膨大なリソースが必要になった場合に、より重要度の低い作業に割り当てられていたリソースを振り向けることが可能となる。

 Carterは、銀行のコンピュータの例を挙げ、朝は専ら株取引きに、ランチタイムと夕方は給与の処理に、そして夜にはオンラインバンキングにへと、計算リソースの割り当てを変更することが可能になると説明した。

 ユーティリティコンピューティングという発想は今や広く知れ渡っており、IBM、米Hewlett-Packard(HP)、米Sun Microsystemsといったサーバメーカーや、米Veritas、米BMC、米Microsoftなどのソフト開発会社が大々的にサポートしている。しかし、この構想で期待される要素を満たすまでには、まだ道のりは長い。

 「Dynamic Data Centerは1つの方向性であり、まだ現実ではない」と語るのは、調査会社Illuminataのアナリスト、Jonathan Euniceだ。今日HP、Sun、IBMから発売されている製品はせいぜいバージョン1.0か1.5といったレベルだと、Euniceは指摘する。

 しかし、各社は構想実現に向けて懸命に取り組んでいる。IBMは、Think Dynamicsを買収したことで、予定を前倒しした。またSunも、独自の「N1」ユーティリティコンピューティング構想の早期実現に向け、CenterRun、Pirus Networks、TerraSpringの3社を買収した。一方HPは、同社の大規模データセンターソリューション「hp Utility Data Center」について、TerraSpringのソフトウェアを使い、またVeritasはJareva Technologiesを買収している。

 現時点では、恐らくIBMがトップだろう、とSummit Strategiesのアナリスト、Tom Kucharvyは語る。「(IBMは)市場にユーティリティコンピューティングという構想を根付かせたが、それと同じくらい市場を混乱させた。しかし、全体的に見れば、他社に比べてより多くの持ち駒を揃えている」(Kucharvy)。

 「ユーティリティコンピューティングの真のメリットの1つは、顧客が個々のコンポーネントを実装していきながら、それを実現できるという点だ」とKucharvyは指摘する。

 実際、IBMは、Intelligent Orchestratorについては、小規模なものから始めている。同製品は、制御するサーバ数に応じて価格が設定されており、IBMが平均的な導入モデルと考えているサーバ10基を制御する場合の価格は2万ドルから5万ドルとなる。

 IBMのCarter によると、Intelligent Orchestratorはサーバに搭載されているオペレーティングシステム(OS)やソフトを完全に再インストールすることにより、サーバが行う作業を変えることができるという。異なるパーティションで複数のOSを同時に実行可能なIBMのUnixサーバなどの場合、Intelligent Orchestratorは各タスクで使用されるリソースを調整できる。

 同ソフトは段階的に導入することも可能で、アドバイザリーモードで実行すると、管理者に操作について提案したり、あるいは管理者が許可した場合にのみ動作する。また、顧客がもっと慣れてくれば、同ソフトに全自動でプロジェクトを実行させることも可能だ。

 現在、Intelligent Orchestratorは、IBM製のIntel/Unixサーバ上で動作するが、2003年末までにメインフレーム「zSeries」およびミッドレンジサーバ「iSeries」上でも動作可能にする。またIBMは、Sunをはじめとする他社製サーバ上でも動作するバージョンの開発を計画している。

 Intelligent Orchestratorは、IBMおよびOracle製データベースソフトを制御可能で、IBM とBEA製のJavaサーバソフトを含んでいる。

 Intelligent Orchestrator製品は現在、直接接続型、あるいはネットワーク接続型のストレージシステムに対応可能で、年末までにはストレージエリアネットワーク(SAN)もサポートする予定。また、同ソフトはCisco Systems、Lucent, Alteon、APC、F5 Networks製のネットワーキング機器との連携も可能で、2003年末および2004年第1四半期にサポート範囲をさらに拡大する予定だと、IBMでは説明している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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