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データの消滅は企業倒産にもつながる

2003/09/02 15:17
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 JDSF(ジャパン・データ・ストレージ・フォーラム)主催のイベント、データストレージワールドが9月2日、都内にて開催された。基調講演にはJDSFの理事を務める金崎裕己氏が、「企業責任としてのストレージマネジメントの今後」と題してスピーチを行い、効率性やコスト面だけでなく、セキュリティ面から見たデータマネジメントにおける課題について語った。

 金崎氏はまず、データマネジメントにおけるジレンマについて語った。それは、企業が新しい情報を積極的に取り込んだり、過去の情報資産をオンライン化して有効活用したいとすることで、ストレージ容量がどんどん拡大していること、またストレージの容量単価は下がっているものの、バックアップなど運用管理コストは上昇傾向にあること、そしてウイルス感染や情報漏えいの問題を防ぐためのセキュリティ強化と、情報共有ができる環境との共存問題などである。

 特にセキュリティに関しては、最近の数ある情報漏えい事件を例にあげ、「セキュリティ対策における目的が変化してきた」と金崎氏。これまでセキュリティ対策は自分の身を守るためのものであったのが、ウイルスの拡散を防ぐなどといった、情報社会の一員として社会的責任を果たすためのものになり、いまでは電子商取引や電子決済など新しい応用分野が拡大していることを受け、「セキュリティの確保は企業競争力の強化にもつながる」と金崎氏はいう。

JDSF理事
金崎裕己氏

 データのセキュリティ確保については、「データを守るための最後の砦となるのがストレージの管理」だと金崎氏。このストレージ管理における課題として同氏は、システムトラブルやウイルスなどによるデータの破壊が起こりうることや、災害でデータが消失してしまうこと、メディアの特性で磁気データは数年程度しか耐久年数がないことなどをあげる。米国でのテロでビルが崩壊した際、多くの犠牲者と犠牲データが出たが、金崎氏は「会社が倒産してしまったのはデータが消失した企業のほうだ」とデータの重要性を強調する。またデータが消失しなくとも、ネットワークからのハッキングや内部からのデータの持ち出しなどでデータ漏洩が問題となること、またデータの改ざんやコピーなども問題で、「現在のストレージ技術では、このデータはコピーができない、印刷できない、といった規制を行うことはできていない」と今後の課題として述べた。

 金崎氏は、データマネジメントのあるべき姿をいくつか述べたが、その中で「バックアップとアーカイブの違いを正しく理解し、うまく活用していくべきだ」と語った。金崎氏によると、バックアップは万が一の時にデータを現状に戻せるよう、常に最新の状態に保っておくことが重要となるが、アーカイブは長期の保存・保管を目的としているため、元のデータと同じ構成である必要がない。金崎氏は、企業データ管理の問題点として、バックアップ対象となっているデータが膨大となっていること、しかもその中の約8割は1カ月以上アクセスされないデータであることを指摘し、「すべてのデータをバックアップする手間を考えると、アクセス率が低いデータはアーカイブとして管理すべきだ」との提案をした。

 ストレージ管理における改善点はいくつかあるが、それ以前に高価なストレージを導入しても、稼働率が半分以下では導入する意味がない。この課題について金崎氏に聞くと、「稼働率が100%ではシステムが動かないので、理想としては7割程度の稼働率を目指すのがいいだろう。現在はそれより低いとされているが、仮想化技術などの新技術が登場し、ストレージの稼働率も向上しつつある」と、今後もストレージの有効活用に向けて技術発展が進んでいくことを強調した。

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