上海市の学校からマイクロソフトオフィスが消える

 中国上海の学校では、海賊行為取締官が学校を捜査すると報じられたことと、米Microsoftの出したライセンス料支払い要求を受け、Microsoft Officeの代わりに中国製のオフィススイートが導入されることになった。

 上海市の教育職員の話では、同市の公立学校には9月1日から、Microsoftのオフィスアプリケーションに代えて、中国のソフトウェアメーカーKingsoftのWPS Office 2003が導入されるという。

 上海市の発表のすぐ前には、中国政府が、公的機関で利用するすべてのパソコンで、オフィスアプリケーションを徐々にWPS Officeなどの中国国産のものに移行するという、今回と同様の発表を行なっていた。

 上海教育研究センターは1週間前に、KingsoftとWPS Office 2003ソフトウェアの購入契約を結んだ。ニュースウェブサイトChina.org.cnによると、同センターは市内の公立学校向けにソフトウェアを購入し、各学校にソフトウェアの変更を通知したという。

 ほとんどの学校では、中国産ソフトのインストール準備として、Microsoft Officeプログラムが削除された。WPS Office 2003の価格は、Office XPの半分ほどだ。来月からは、Microsoft Officeに関連する記述がほとんど無い、新しいコンピュータの教科書も採用される。

 北京に本社があるKingsoftはこのプロジェクトのために、学校のLANを使ったオンライン試験の実施などの特別な活動を予定している。同社は8月31日より、WPS Office 2003を小売価格156ドルで発売する。これに対して、Office XPの小売価格は465ドルだ。

 上海市の学校がMicrosoft Officeの採用を止めた背景には、同社が上海市教育委員会に学校のコンピュータ1台ごとに同オフィススイートのライセンス購入を求めたことがあるようだ。報道によると、海賊行為取締官が上海市の複数の学校に手入れを行い、同ソフトの海賊版の利用を取り締まったという。

 WPSは中国政府のお墨付きを得ているものの、近い将来、公的機関で使われているMicrosoft Officeに完全に取って代わることはなさそうだ、とIDC Chinaのソフトウェア・サービス部門リサーチディレクターDorothy Yangは報告書で述べている。また外国のメーカーが政府契約から完全に除外される可能性も低そうだ。

 アナリストやその他の情報筋は、中国政府ではあまりにも多くのシステムがMicrosoft WindowsやOfficeに依存しているため、WPSなどの国産ソフトウェアへの移行は段階的になるだろう、と述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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