米リアルネットワークスがLinux開発者向けにソースコードを提供へ

 米RealNetworksは8月6日(米国時間)、Linux上で動作する同社のオーディオ/ビデオプレーヤーソフトのソースコードをリリースすると発表する予定だ。

 同社は、現在サンフランシスコで開催中のLinuxWorld Conference and Expoにおいて、コード公開計画の詳細を発表する。今回のコード公開は、米MicrosoftのWindows Mediaのようなプロプライエタリなシステムに対して、複数のファイル形式をサポートするという同社の戦略を補完するものだ。同社は、近年この分野で急成長するMicrosoftから市場シェアを取り返すため、この戦略を推し進めている。

 RealNetworksは昨年、自社のHelixビデオ/オーディオ圧縮用技術や、それに対応するHelix DNAメディアサーバのソースコードを公開した。このメディアサーバは、MPEG-4やWindows Mediaなど多くのファイルフォーマットをサポートしている。開発者は、研究用であればこのHelixソースコードを無料で利用でき、またライセンスを結べば商用製品としてリリースすることもできる。たとえばソニーは最近、このHelixサーバおよびビデオ/オーディオコーデックを、同社のホームエンタテイメント用製品Altair向けにライセンスしている。

 最新のモジュールであるHelix Player Initiativeは、Helix DNAクライアントのフロント部分で動作するメディアプレーヤだ。これはRealNetworksにとっても、比較的最近手を付け始めた市場であり、多くのHelix開発者はまだこの分野での実績がない。

 しかし、調査会社Directions on MicrosoftのアナリストMatt Rosoffは、Linux向けのメディアプレーヤ市場が非常に大きいという点に疑問を呈す。「デスクトップ上でLinuxを動作させるには、依然として高い技術スキルが要求される」と、Rosoffはその問題を説明する。「ソースコードの公開が、RealNetworksのビジネスに大きなインパクトを与えるかどうかは分からない。だが、同社の進めるマルチプラットフォーム戦略とは合致している」(Rosoff)

 RealNetworksはいま、ワイヤレス市場の盛り上がりや技術革新の波に乗ることに、とりわけ関心を示している。この市場では、現在開発者たちがさまざまなフォーマットをサポートできる単一のメディアエンジンを求めているところだ。同社のソースコードを利用した製品が開発されれば、RealNetworksはそこからライセンス料という形で収入を見込める。

 同社CEOのRob Glaserは第2四半期の決算発表において、モバイル機器向けのビデオ/オーディオ再生ソフトウェアの開発を大きなチャンスとして捉え、これに注力すると述べている。同氏は、フィンランドのNokia、スエーデンのEricsson、英Vodafoneの3社に対して、Helix Universal Mobile Server and Gatewayを提供するライセンス契約を結んだが、この3社は合わせて3億5000万台の端末向けに、このソフトウェアを使ったサービスを展開するという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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