Windowsサーバを蹴散らす-米HPのUNIXサーバ、最速記録を塗り替え

 米Hewlett-Packard(HP)は米国時間7月30日、自社製新型サーバの速度テスト結果を公表した。同社は今回初めて、Itaniumプロセッサを搭載した自社サーバの最高位機種でHP-UXとWindowsとを比較したが、結果は HP-UXが勝利を収めた。

 このテストで、Itanium 2 6M「Madison」を64個搭載したHP Integrity Superdomeは、TPC-Cテストで82万4000トランザクション/分というスコアを叩き出した。TPC-Cテストは、Transaction Processing Performance Councilの取り決めた、高負荷のデータベースが動作する単独コンピュータの処理能力を計測する、注目度の高いテストである。

 この82万4000トランザクション/分という処理スピードは、6月に記録されてこれまでトップだったIBM製Power4チップ搭載サーバの76万8000を上回るだけでなく、その前にHP SuperdomeのWindows搭載機が5月に記録した70万7000トランザクションという結果をも上回る。

 今回の結果は、何年にもわたって続いているUNIX対Windowsの戦いに、大きな意味を持つ新情報を提供している。これまで激しく対抗してきた両オペレーティングシステムだが、これらが同一ハードウェア上で比較されることはほとんどなかった。

 HPのこのテストで、「HP-UX」と呼ばれる同社のUNIXを搭載したシステムの方が高速だとわかったが、その価格は680万ドルで、いっぽうWindowsシステムのほうは510万ドルだった。

 HPのSuperdomeはLinux、Windows、そしてHP-UXを独立したパーティションで同時に動かすことができる。しかし、このようなシステムを実現するソフトウェア群については、WindowsやLinuxよりもHP-UXの方が成熟している。

 Itaniumチップの設計をIntelと共同開発したHPは、プログラマー、ソフトウェア企業、ビジネスパートナー、顧客に対して、Itaniumをサポートするよう、何年も働きかけてきている。

 HPでは、複数存在するサーバの製品ラインを絞り込む作業を進めており、旧CompaqのAlphaプロセッサ、SGIのMIPS、そして自社開発のPA-RISCを、Itaniumへと徐々に置き換えている。だが、その一方で、HPは既存の製品ラインをアップデートし、顧客企業に十分な移行時間を与えてもいる。

 HPは米国時間の30日、Alphaチップの新しいEV7バージョンをベースにした、新たなハイエンド向けのAlphaServer、GS1280の出荷開始を明らかにしている。このGS1280は32個のAlphaチップが搭載されているが、今年後半にはさらに64プロセッサ搭載のモデルも登場するという。また、2004年に実施されるアップデートでは、Digital Equipmentが最初に開発したAlpha系チップの最後となる、一段と高速なEV79プロセッサを採用する。

 一方、HPのライバルであるSun MicrosystemsとIBMは、今後数年内に期待されるHP顧客のサーバ切り替えから利を得ようとしている。両社は、新しいサーバに乗り換えるなら、いっそベンダーも乗り換えたらどうかと主張している。

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この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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