仏ビジネスオブジェクツがライバルの米クリスタルディシジョンズを買収

 仏Business Objectsは、同じくビジネスレポートソフトウェアを開発する米Crystal Decisionsとの間で、同社を8億2000万ドルで買収するとの合意に達した。これはビジネスソフトウェア市場の再編に向けた一連の買収活動のなかで最も新しい動きだ。

 Business Objectsは、企業が保有するデータベースから情報を引き出し、その分析を通じてその企業に関するパターンやトレンドを見つけ出すソフトウェアを開発しているフランスのソフトメーカーだが、同社とCrystal Decisionsは18日(米国時間)、今回の買収を発表した。Crystal Decisionsは、カリフォルニア州パロアルトに本拠を置く非公開企業。

 Business Objectsの提示した条件は、3億ドルの現金と同社の株式2650万株だが、これは同日1株あたり20.26ドルの値でひけた。両社によれば、この買収合併は、規制当局の承認を得た上で、今年末までに完了する予定という。

 Business Objectsの最高経営責任者(CEO)のBernard Liautaudは、アナリスト向けの電話会議のなかで、「今回の合併は、2つの協力で収益力のある会社を1つにするものだ」と語った。両社の昨年度の売上を合計すると7億3600万ドルに達し、また従業員数は3800人を超える。両社は今回の合併で、来年度2500万ドルの経費削減を見込んでいる。

 「これは、業界で広く認められ、高い評価を得ているリーダー的企業同士の合併だ」(Bernard Liautaud)

 Business Objectsは、2万5000社以上の顧客を持つCrystal Decisionsの製品およびブランド名を存続させる意向だと、Liautaudは付け加えた。Liautaudによれば、両社の製品ラインにはあまり競合する部分がないという。Business Objectsのソフトウェアは、主に企業の幹部クラスや管理者を対象としているのに対し、Crystal Decisions製品はより幅広い従業員層に向けて設計されている。

 Business Objectsは、不振のビジネスソフトウェア市場のなかで、数少ない有望分野の1つであるビジネスインテリジェンス市場で、Cognos、Hyperion Solutions、SASなどと競合している。また同社は、まもなくさらに多くの競争相手に立ち向かうことになるかもしれない。Microsoftは、今年はじめに同社のSQLデータベースソフトウェアにビジネスレポーティング機能を追加する計画を発表した。これにより、MicrosoftがCrystal Decisionsや他の小規模な専業メーカーと真正面からぶつかることになるとアナリストは予想していた。

 ITに対する企業の需要が低迷していることから、ソフトウェア業界では最近合併の動きが活発になっている。PeopleSoftとJ.D. Edwardsとの契約は、17日(米国時間)に締結に一歩近づいた。またOracleは、PeopleSoftに対して仕掛けた敵対的買収を続行している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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