Webサービス標準化を邪魔する派閥争い

 Webサービスは、互換性のないソフトウェア同士のやり取りを可能にする技術と謳われているが、競合するWebサービス連合が標準制定で画策しあっているため、なかなかうまく話し合いが進んでいない。

 Webサービスの標準制定競争がますます激化するなか、2大Webサービス陣営-- 一方は米Microsoft、もう一方は米Sun Microsystemsが代表している--がそれぞれ、Webサービスアプリケーションにおける信頼性の高いメッセージ配信のための、競合する仕様案を開発した。

 Webサービスとは、情報共有を容易にすることを目的とした、プログラミング標準を集めたものを指す。Webサービスは、未来のオンライン小売販売シナリオや、企業向けのレンタル・アプリケーションのコンポーネントとなるサービスとして当初大々的にもてはやされていたが、まだその期待に十分こたえられていない。しかしWebサービスの技術は、それほど華々しくはないが、しかしますます重要になっている企業間のシステムを結ぶリンクの基盤として、大企業の間で採用されている。

 Webサービスが広く普及しない主な原因の1つとして、メッセージが目的地――それが道路の反対側でも世界の裏側でも――にインターネット経由で必ず到達するよう保証する標準的方法が無いことが挙げられていた。

 Microsoftはこの標準化を目指し、WS-ReliableMessaging(WS-RM)と呼ばれる仕様を議論するため15日に会合を開いた。WS-RMは、コンピュータ間でのXML文書の送受信を確実に行うよう設計された仕様で、同社と米IBM、米BEA Systems、米Tibcoとが協力して作成し、この3月に公開されたが、まだ標準化団体には提出されていない。

 この仕様の標準化が進まない理由は、米Sunと米Oracle、富士通、日立、NEC、米Sonic Softwareが、すでに競合する仕様を発表しているからだ。SunやOracleが支持している仕様Web Services Reliable Messagingは、業界標準として発展させるため、2月にWebサービス標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)に提出された。

 Microsoftは15日、WS-ReliableMessaging仕様へのフィードバックを得るため「一般招待」ワークショップを開催した。Sunはこれに対し、業界標準はさまざまなプロバイダによる製品間の互換性を保証するためのものだが、Microsoftの行動は、そうした業界標準の発展に有害だとする声明を発表した。またSunは、MicrosoftとIBMが標準制定プロセスに十分に関与していないという苦情も述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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