L・トーバルズ、Linux最新カーネルのテスト版をリリース

 Linuxの生みの親であるLinus Torvaldsが、Linuxの最新カーネル「2.6」を米国時間7月14日にリリースした。現段階ではテストカーネルだが、Torvaldsは開発用MLに「"2.6"という名称は、新機能を試すものではなく、プログラマーに新カーネルをテストし、バグを潰してもらうための合図のようなものだ」という投稿をしている。

 Torvaldsは「テスト版のポイントは、より多くの人々にテストの必要性を認識してもらうと同時に、散在するLinux開発者に"次期カーネルに思いを巡らすのはもう遅い"ということを把握してもらうためだ」と語っている。同氏は2週間前に2.6テスト版のリリースが遅れるという予測をしており、先週には現行2.5の最終版をリリースしていた。

 今後の予定については、「今回のテスト版(プレ1)と最終版2.6.0とのタイムラグは、2.4の時と比べて短いだろう。2.4の場合、プレ1から最終版のリリースまで7カ月かかったが、2.6では差し当たり直面する問題は少ない」(Torvalds)。

 Torvaldsは2週間前から勤め先の米Transmetaを休職し、Linuxカーネルの開発に専念している。また、Linuxカーネル2.6の「管理人」ともいえるAndrew Mortonがこれに加わり、業界プログラマーが2.6に順調に移行できるよう2人で作業を続けている。

 このような地道なアプローチがIT業界でのLinux普及につながっており、大手サーバ企業、さらに米Microsoftを除くサーバ向けソフトウェア企業などの大半は、Linuxを製品戦略の一部に組み入れている。

 カーネル2.6を市場に早く送り込み、迅速な改良を加えられるようにするために、Torvaldsは米Red HatやドイツのSuSeなどのLinuxディストリビュータにも協力を求めている。これについて、Red Hatは「内部の各種ハードウェアで、多目的に使用し、ユーザーが2.6のテストカーネルを利用できることを確認する。その後、同テストカーネルをユーザーのテスト用に、RPM(Red Hat Package Manager)形式で配布する予定だ」と述べている。

 Red Hatは2.6ベースの製品導入時期については明らかにしなかったものの、「移行前には2.6をベースとした製品の"技術プレビュー"版をリリースする」(Red Hat)としている。

 2.6における主な変更は、

  1. 大規模マルチプロセッサシステムでの性能向上
  2. ハンドヘルドPC、DVDプレーヤー、プリンターといった、組み込みデバイスへのサポートの向上
  3. マウスクリックやキーボード入力の反応の高速化
  4. ハードディスクドライブ(HDD)やCDドライブとやり取りを行なう「ブロックデバイス」のオーバーホール

 となっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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