Itaniumよりも自社プロセッサの優位性を主張するIBM

 IBMは6月30日(米国時間)、米Intel製のItaniumチップを搭載した新サーバ製品群を正式にデビューさせたが、同時に自社製Power4チップを搭載したマシンがHewlett-Packard(HP)のItanium搭載サーバの性能を上回ったとのテスト結果を発表し、自社における優先順位を明らかに示した。

 IBMのトップエンドUNIXサーバで「Regatta」と呼ばれるp690は、同社のPower4プロセッサを搭載しているが、このマシンがTPC-CテストにおいてHPのItanium搭載マシンを抜き去って首位に立った。

 IBMのこのサーバは分あたりのトランザクション数で76万8000回を記録し、5月にHPが記録した70万7000回を上回った。IBMのトランザクションあたりのコストは、HPのSuperdomeよりもわずかに安く、IBMが以前に記録した結果よりも明らかに優れている。

 「HPのItanium 2搭載サーバのほうが、IBMのUNIXサーバに比べて安いというのは幻想だ」と、IBMのUNIXサーバpSeriesを担当するゼネラルマネージャ、Adalio Sanchezは声明のなかで語った。この声明は、IBMの新製品であるItanium 2搭載サーバ「x450」が発表された、僅か数時間後に出された。

 データ保護など64ビットならではの機能を持つItaniumは、IBMの得意とするハイエンドサーバの市場に、これまでになく食い込んでいる。あるアナリストは、IBMのpServerの発表を、同社が自社製チップ搭載マシンを優先する意向を表明したものと捉えているが、同時にIBMがプレッシャーを感じている証拠でもあると見ている。

 「IBMは明らかに、トップエンドのUNIXサーバならびにLinuxサーバとして、自社製のPowerプロセッサおよびpSeriesのマシンを位置づけ、ItaniumとWindowsについてはもっと負荷の少ない仕事に適したものとするつもりだ」とIlluminataのアナリストDavid Freundはいう。「だが、顧客にとって興味深いのは、IntelとMicrosoftが64ビット・システムの領域で、価格面の圧力をかけていることだろう」

 IBMは6月30日のプレスカンファレンスで、2つの製品の発表のタイミングが重なったことは偶然だったと話した。「pSeriesのテストが終わったのは、午前5時ころだった」と、IBMでAIX部門の責任者を務め、ベンチマークテストを担当したNick Bowenは述べた。

 これに対し、HPのエンタープライズ向けストレージ/サーバグループでバイスプレジデントを勤めるMark Hudsonは、「IBMの今回の発表によって、HPのItanium搭載Integrityサーバが、他社が目標とする業界の標準となっており、またエンタープライズ市場では我が社とIBMとの一騎打ちとなっていることが改めて確認された」と、声明のなかで語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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