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米AMD、Athlon64プロセッサの製品ラインを拡充

2003/06/30 12:04
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 米Advanced Micro Devices(AMD)が、キャッシュメモリの基本構造を改めた、デスクトップ向けプロセッサ製品を拡充する見込みだ。同社の関係筋が明らかにしたもので、リリース予定のAthlon64プロセッサも同様の拡充を行なうという。

 具体的には、「AMDはAthlon64プロセッサのモデルナンバー3400+、3100+を9月にリリースし、第4四半期には同ナンバーを3700+まで引き上げる見込み」(同社関係者筋)。2004年末には、モデルナンバーは4300+に達すると見られる。モデルナンバーは米Intel製プロセッサのクロックスピードにほぼ対応している。このため、AMDの3100+プロセッサは、動作周波数3.2GHzのPentium 4とおおよそ同等の性能を持つ。

 さらに、AMDは既存のAthlon XPプロセッサ製品ラインの変更を検討している。この計画は、プロセッサのモデルナンバーを引き上げるものではなく、キャッシュを中心に基本構造を変更し、製造コストを削減するもの。

 この変更計画は、フランスのウェブサイトX86-secret.comへの投稿で明らかにされた。しかし、その投稿は後に削除された上、AMDはこの件について、コメントを拒否している。

 Athlon64/Athlon XPプロセッサファミリでこの変更を行った場合、AMDは製造コストを削減し、限られた工場施設を有効に活用できることになるという。

 ただし、プロセッサファミリの拡充は、実際のところ、プロセッサのキャッシュサイズを変更することに終始しそうな気配だ。キャッシュはプロセッサ内に設けられた小容量のメモリ。これにより、データアクセスを高速化し、プロセッサの処理能力を高める。

 Athlon64では、3700+、3400+、3100+各プロセッサのキャッシュメモリを当初1MBとする予定だが、第4四半期には3100+の基本構造で、クロックスピードを大幅に向上する一方、キャッシュサイズはその4分の1である256KBに引き下げる見込みだ。クロックスピードを上げながらキャッシュサイズを減らすことで、性能を落とすことなく、プロセッサのサイズを小さくできる。これにより、製造コストを下げるというわけだ。

 ちなみにAthlon XPのキャッシュは、Athlon64とは異なる方法をとる。5月に出荷したAthlon XPの3200+(開発コード名 Barton)は、キャッシュサイズを従来の256KBから512KBに増やしている。プロセッサのサイズも以前と比べて大きくなっている。

Thortonの登場

 AMDは、Bartonと同じダイサイズでキャッシュ容量を256Kバイトに半減させたAthlon XPファミリの新プロセッサ、Thorton(開発コード名)を計画している。Thortonは、プロセッサとメモリを接続するシステムバス(FSB)のクロック周波数もBartonより遅くする。このような仕様を採用することで、ThortonとBartonを同じウエハで製造できるようになり、製造プロセスの合理化に結びつく。

 またThortonには、歩留まりを向上させる可能性もある。というのは、Barton製造時に内蔵キャッシュの1セグメントで不良が発生してキャッシュ容量が半分の256Kバイトになったとしても、そのダイを処分せずThortonとして出荷できるからだ。

 これまでAMDとIntelは、キャッシュ容量を変えることで製品を差別化してきた。一般的にプロセッサメーカーは、プロセッサのキャッシュサイズを減らして低速化し、低価格製品を製造する。こうしてほかのプロセッサとの性能差を生じさせ、別ファミリの製品としてマーケティングするのだ。例えばIntelはPentiumとCeleronをこの手法で分け、AMDもAthlonとDuronで同じことをしていた。しかしAMDがThortonで行うキャッシュサイズ変更は、これまでと趣が異なる。

 米国の雑誌Microprocessor Reportのシニアーエディター、Kevin Krewellは、「AMDはキャッシュ容量256Kバイトのプロセッサの動作周波数を上げることで、“キャッシュ容量1Mバイトのプロセッサと同じ性能を実際に出せる”としている。しかし顧客は納得するだろうか」と疑問を投げかける。「(キャッシュ容量に対して)すべてのアプリケーションが同じように影響を受けるとは限らない。キャッシュ容量の変化に敏感なアプリケーションもあれば、動作周波数の影響を受けやすいものもある」(Krewell)

 AMDがThortonで行うキャッシュ削減とFSB低速化は、メーカーがプロセッサの性能を調整する際にこれまで行ってきた手法と一致するが、今回のやり方には、少なくとも1つ大きな違いがある。通常性能を落としたプロセッサには新しいブランド名を付けるのに、Thortonは既存のAthlon XPファミリに置き換わる。

 Thortonはまったく新しい製品だが、性能が向上するわけでなく、製品名も変わらない。そして技術的にはこれまでのAthlon XPと瓜二つだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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