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製品ラインの維持が信頼につながる---オラクルのピープル買収をけん制するSAP

2003/06/24 21:13
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 「現在の不況下では安全な選択肢が求められている」---SAPジャパン代表取締役社長の藤井清孝氏は同社の顧客管理ソフトウェアおよびサプライチェーン・マネジメントソフトウェアの新製品発表会において、OracleやPeopleSoftなどの企業アプリケーションベンダーが繰り広げる買収合戦について、競争に巻き込まれない自社の優位性を強調した。

 同社の代表取締役社長の藤井清孝氏はまず、SAPのERP、SCM、CRM製品がいずれも2002年の国内市場においてシェア第1位となったことを紹介。その理由として、製品群が統合化されていること、幅広い業界での導入事例があること、顧客とパートナーシップを築き上げる企業体質などを挙げる。

 現在ライバルのOracleがPeopleSoftに対して敵対的買収を仕掛けるなど、同業他社が買収合戦を繰り広げていることについて、藤井氏は「自分と補完関係にある企業と一緒になることで統合化されたサービスを提供しようとしている」と分析する。また、米国の株式相場が下落していることから「買収に良い時期なのではないか」とも指摘。さらに、「新規の研究開発にかかる費用が大きくなり、大きな売上規模がないと研究開発の投資が難しくなってきた。ソフトウェアにもスケールメリットが生まれており、そのスケールを求めているのだろう」とした。

顧客はベンダーの安定性を求めている

SAPジャパン代表取締役社長の藤井清孝氏

 一方でOracleがPeopleSoftを買収した際にはPeopleSoftの製品ラインを廃止する考えを明らかにしたことを受け、「IT投資は過去の積み重ねであり、急に変えるわけにはいかない。顧客は企業統治がきちんとなされているか、基本方針が変わらないかといった基本的な問いを投げかけている」(藤井氏)と暗にOracleを批判し、安定的にサービスを提供できる自社の強みを主張した。

 藤井氏は今後の戦略について、「SCM、CRMなど単体では圧倒的に強い競合相手がいる。統合力というだけでは理解してもらえる顧客は限られる」(藤井氏)として、それぞれの製品の品質を高めて単体の競争力を付けながら、さらに製品の統合力で勝負するという戦略を明らかにした。

「他社のCRMベンダーがSAP製品へ移行している」

 SAPジャパンが発表した新製品は顧客管理ソフトウェアの新版「CRM 4.0」とサプライチェーン・マネジメントソフトウェアの新版「SCM 4.0」の2つ。まずCRM 4.0の特徴は、23業種向けのソリューションを搭載している点だ。IBMやコカ・コーラなど、各業種でトップの企業とそれぞれCRMを共同開発したものを標準化し、機能として搭載しているという。すでに顧客が利用しているものを流用し、さらに7〜8カ月間を品質検査に当てており、「安定した品質のものを提供できる」(SAPジャパン ビジネスディベロプメントディレクターの三村真宗氏)という。

 製品の出荷は6月25日の予定。2003年度の出荷予定数は30社としており、すでに複数の大手ハイテクメーカーなど12社へ出荷が決まっているという。「現在他社のCRM製品を扱っているベンダーがSAP CRMへ人員をシフトしており、順次戦略的提携についても発表していきたい」(三村氏)と自信を覗かせた。

 一方SCM 4.0で新たに導入されたのは、社内外の変化に迅速に対応するため、企業内だけでなくバリューチェーン全体の最適化を目指す「アダプティブサプライチェーンマネジメント」という考え方だ。具体的には、複数の企業がWebベースで在庫情報を共有できる「Inventory Collaboration Hub」、各プロセスの状況を監視し、問題発生時に通知する「Event Management」の2機能が新たに追加された。また、計画系のコンポーネント「Advanced Planning & Optimization」についても、業種別のソリューションを強化したという。出荷は2003年秋を予定しており、2003年度中に40件の出荷を目標とする。

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