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「日本はユビキタス世界の先導役」とNEC金杉氏

2003/06/10 19:49
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 NEC代表取締役社長の金杉明信氏は10日、同社が10日・11日の日程で開催するNEC e-Trend Conference & Fairの基調講演にてオープニングスピーチを行った。そのなかで同氏は、生産業において中国が重要な役割を果たすようになったことや、日本はユビキタス世界において先導役になれるチャンスがあることなどを語った。

 金杉氏はまず、生産業における中国の重要性について述べた。主な電子機器の2003年度世界トップシェア予測を見てみると、DVD、パソコン、カーステレオ、携帯電話など、数年前にはすべて他国がトップシェアを握っていた分野においていずれも中国がトップになると予測されている。SARSの影響で一部生産がストップされている部分もあるが、「いまや中国は世界各国のサプライチェーンに組み込まれており、生産・開発における最適地としての地位を確立した」と金杉氏はいう。

 いっぽう日本では、経済状況が悪化の一方をたどっている。だが金杉氏は、日本はユビキタス社会を実現するためのブロードバンド環境に恵まれている点を指摘。4月末のブロードバンド加入者数が996万人に達したことや、100キロビットあたりの1カ月の通信料が世界で一番安価だという調査結果をもとに、「日本はユビキタス社会において世界の先導役になれるのではないか」と述べた。

 また日本政府でもこれまでブロードバンドの環境整備を重視していたが、インフラは整いつつあり、今後さらにITの有効活用を促進するため、5月15日付けで「IT基本戦略II」を打ち出している。そのなかで政府は、医療分野、行政サービス、中小企業金融などの7分野でIT利用を促進しており、「これが日本の国際競争力の復活につながる可能性がある」と金杉氏はいう。

企業マーケットでのブロードバンド化

NEC代表取締役社長、金杉明信氏

 ブロードバンドの普及がクリティカルマスに達したことで、企業マーケットにおいても自社のネットワークをブロードバンド化する動きが進んでいる。IP-VPNや広域イーサネットなどがその例だが、IP-VPNサービスは三井住友銀行、トヨタ、積水化学などで、広域イーサネットサービスは東京スター銀行、全日本空輸、ローソンなどで導入されている。金杉氏は「IP-VPNや広域イーサネットなどの市場は昨年より50%程度増加しており、今年は1000億円を突破する見込みだ」と述べている。

 ブロードバンド化とともに普及が進んでいるのがVoIPである。IP電話機はこれまで高額であったため、多くの企業はまず中継網をIP化する傾向にあった。金杉氏は、このIP中継網サービスの加入が今年ピークに達するだろうとし、契約回線数が128万回線を超えるとの調査結果を示している。そのいっぽうで、東京ガスが電話機とパソコンを接続してフルIP化するサービスを手がけたことでIP電話サービスが急速に成長しはじめたことを指摘。金杉氏は、このフルIP化サービスが現在の14万回線から2007年には100万回線を超えるという調査結果を示した上で、「IP電話サービスは、IP中継網サービスをおさえて主流となるだろう」としている。ちなみにNECでもIP電話アウトソーシングサービスとして、先月i-Net Valueというソリューションを発表している。

 金杉氏はまた、ユビキタス化に欠かせないモバイルデバイスにおいても日本が世界の最先端であることを指摘している。携帯電話の人口普及率が60%以上であることや、インターネットに接続可能な携帯電話の加入者が80%以上であることをもとに、「ブロードバンドとモバイルをうまく使ったビジネスの可能性が広がる」(金杉氏)としている。また、RFID(無線タグ)への関心も高まっており、物流や認証における管理など各業界から注目されているのに加え、標準化へ向けての動きも活発になっていると金杉氏は指摘している。

 このように、世界最先端のブロードバンドとモバイルインフラがもたらすものとして金杉氏は、新しいビジネスチャンスが生まれることや、企業間連携、アウトソーシングなどが進み、各企業はコアビジネスに注力できると述べている。金杉氏は、自社のコアコンピタンスを磨きつつ、パートナーと柔軟に協調・協働することで柔軟なビジネス形態を築くことが次世代の経営スタイルだとして、「わが社ではこれをDynamic Collaborationと名づけ、この次世代経営スタイルを実現するためのソリューションを提供していきたい」と語った。

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