SuSE、企業向けデスクトップPCに照準:Linux新バージョンをリリース

 オープンソース・ソフトウェア・ディストリビュータの独SuSEは9日(現地時間)、Linuxオペレーティングシステム(OS)の企業ユーザ―向け新デスクトップバージョン、SuSE Linux Desktopをリリースした。

 SuSE Linux Desktopは、企業などがデスクトップPCでLinuxを利用しやすくするため、既存のハードウェアとソフトウェアを簡単に統合できるよう設計されている、とSuSEは話している。

 Linuxはサーバ分野--ウェブページの配信など、さまざまなタスク処理に使われる大規模コンピューティングシステム--ではかなり浸透してきているが、デスクトップPCへの普及はそれほど進んでいない。現在、デスクトップLinuxを導入しているのは、技術に精通した個人ユーザーや、Wal-Martで売られているようなローエンドの消費者向けシステムに限られており、企業は依然として、馴染みの深いMicrosoftのWindows OSを利用している。

 しかし、企業ユーザーや政府ユーザーも、Linuxを実験的に使い始めている。たとえばドイツのミュンヘン市は先月末、市のパソコン1万4000台のOSをWindowsからLinuxに乗り換えると発表している。

 「SuSE Linux Desktopは、Linuxを全世界の職場にもたらす製品だと信じている」とSuSEの最高経営責任者(CEO)Richard Seibtは述べている。

 SuSE Linux Desktopは、サポートや既存システムとの互換性など、企業の関心事に重点をおいており、SuSEでは、この新製品によってLinuxデスクトップの普及が加速すると期待している。同製品には、標準の1年間メンテナンスプランのほか、MicrosoftのOfficeソフトウェアパッケージなどの既存ソフトウェアを、Linux上で稼動させるCodeWeavers CrossOver Office 2.0などのツールが含まれている。

 SuSEのパッケージに含まれるCodeWeavers CrossOver Office 2.0には、Microsoft OfficeとLinuxシステムとの間で翻訳機能を果たすレイヤーが追加されており、それによってOfficeが動くようになっている。CodeWeaversの開発者、Jeremy Whiteは、社員用のPCで、手軽にLinuxへの移行を可能にしてくれる同社製品の採用を検討中の企業がますます多くなっている、と語った。

 IBMとHewlett-Packardはすでに、各々のハードウェア製品でSuSE Linux Desktopをサポートすると表明。IBMのThinkPad A31およびT40ノートパソコンと、NetVistaデスクトップパソコンは、SuSE Linux Desktopとの互換性が認定された。

 SuSE Linux Desktopは、インストールキットおよび最大5台までのパソコンを1年間サポートするパッケージとして、598ドルで発売される。

 まだ同日、LinuxソフトウェアメーカーのXimianも、同社のデスクトップPC向け製品の最新版をリリースした。ただし、SuSEとは異なり、同社ではさまざまLinux上で動くソフトウェアに重点をおいている。さらに、同社ではそうしたLinuxの最新版アップデートを行うサービスも展開している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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