米サン、低価格PCサーバ+Solaris x86の販売強化

 米Sun Microsystemsは5月18日、低価格サーバ2製品のリリースと、OracleおよびRed Hatとの提携を発表した。

 今回発表された低価格サーバは、Sun Fire V60xとV65xの2製品。IntelのXeonプロセッサを搭載したPCベースの構成だが、同社CEOのScott McNealyは、「最小構成の製品が2450ドルであり、競合のDell ComputerやIBMの製品よりかなり安くなっている」ことを強調した。

 またOracleおよびRed Hatの2社との提携については、Oracleが自社製品を、SunのIntelのCPU向けOSであるSolaris x86用に提供すると発表。またRed Hatについては、同社がSunのJava VM(Virtual Machine)を、自社Linuxディストリビューションに組み込むいっぽうで、SunはRed Hat Linuxの販売を行う予定だという。

 Oracleはこれまで、Sparc版Solaris向けにソフトウェアの提供を行っていたが、Solaris x86に対して製品提供を表明するのは今回が初めてである。

 「われわれは、Oracleが推進していたようなx86向け製品開発やLinux用製品サポートをしてこなかったし、ここ4〜5年はSolaris x86についての公約を必ずしも守ってきたわけでもなかった」とMcNealy。実際、同社は1万ドル規模以上のシステムに注力していたのだが、最近はIntelやAdvanced Micro Devices(AMD)のCPUを使った1〜2プロセッサ構成の、成長著しい低価格サーバ市場への傾注を深めている。

 本発表に同席したOracle CEOのLarry Ellisonは、クラスター化された小規模サーバが、単体の巨大サーバを段階的に駆逐していくと断言する。「未来のコンピュータ像は、低価格マシンを組み上げて巨大マシンに仕立てたものだ。それで、より高い性能と冗長性を実現することができる」

 今回Sunが発表した低価格サーバは、Dellが提供するPCサーバと基本的には同じものである。その違いは、Windowsの代わりにSolaris x86とLinuxを主軸としている点。Sunの幹部は、「価格で比較するのではない。多くの大企業顧客は、すでにSparcベースのSolarisシステムを所有しており、そのアプリケーションやOS機能、管理ツールといった資産をそのまま運用できることがメリットであり、それが結果として新サーバ導入コストの削減につながる」と説明する。また、McNealyは、「データセンターのシステムに新しいOSを導入したいというユーザーはあまりいないだろう」という。

 Sunでは、Solaris x86がHewlett-Packard(HP)やDellのPCサーバ上で動作することを保証すると、同社ソフトウェア事業部のエグゼクティブ・バイスプレジデントのJonathan Schwartzは付け加える。

 Sunの幹部によれば、同社の利益の増加分はソフトウェア事業からの収入であるという。Merrill LynchのアナリストSteve Milunovichが最近発表したレポートによれば、Orionと呼ばれる新しいライセンス価格体系の下で、従業員1人あたりの1年間のソフトウェア利用料は100〜200ドルになるという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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