LinuxのOS性能調査でSuSEが優位に

 Linuxはここ2年間で大幅な改善がなされており、ビジネス向け機能の拡張競争では、SuSEのバージョンが競合するRed Hatに僅差で勝っていることが、15日発表されたD.H. Brown Associatesによる新調査結果で明らかになった。

 同調査では、SuSERed HatのLinuxバージョンは、前回の調査での「可」から「良」に評価がアップした。Debianの評価は「貧弱」から「優良」に大幅アップしたものの、SuSEとRed Hatの成績には及ばなかった。

 同調査によると「SuSEは全てのカテゴリにおいて、第1位もしくはRed Hatと同順位」で、特にシステム管理において優れているという。SuSEは、新機能を迅速に取り入れることで優位な立場を築いたが、いっぽうで「製品としてまだ未完成な技術を出荷してしまっている」という競合会社のコメントも、同調査結果のなかに記されている。

 この調査は、大容量メモリのサポートや障害分析、遠隔管理、採用されているネットワーク標準や新Webサービスソフトウェアなど、企業がサーバを稼動するのに必要なオペレーティングシステム(OS)の機能を評価したもの。

 Linuxは、2001年の調査結果からは大きな改善が見られたものの、まだ「優秀」評価のUnix最高バージョンには及ばない。しかしLinuxは2001年の段階で、最も評価の低かったUnixにまさっていた。「Linuxの進化と成熟は急速に進んでいる」と調査結果には記されている。

 Linuxは、カーネルが、現行バージョンの2.4から次の2.6に更新されれば、さらなる進歩を遂げると期待されている。カーネルとはOSの心臓部に相当するプログラムのこと。「2.6カーネルになれば、Linuxに対するわれわれの評価は相当上がるだろう。2.6カーネルで搭載予定の機能の多くは、われわれの採点基準に特に関連している」と調査を実施したTony Iamsは、電子メールでのインタビューで述べている。

 Iamsによると、2.6カーネルでは大規模なマルチプロセッササーバ向けに、複数のタスクのスケジューリングや大容量メモリの取り扱い、ネットワークやストレージシステムとの間の入出力データ処理などの改善が施されているという。「これらの改善により、Linuxの大規模な……システムへの拡張性が大幅に向上し、より大規模なデータベースなど入出力処理の多いアプリケーションをサポートできるようになる」とD.H. Brownは述べている。

 D.H. Brownが調査したのは、2003年1月時点でのSuSE Enterprise Linux Server 8とRed Hat Enterprise Linux AS 2.1とDebian 3.0だ。同社の評価には、市場シェアや顧客満足度、サポートオプション、利用可能アプリケーションなどは含まれていない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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