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「情報家電にはWindowsよりLinux」と経済産業省

2003/05/14 22:50
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 「e-Life戦略研究会」という名称を耳にしたことはあるだろうか。経済産業省が発足させた、情報家電市場化に向けた研究会だ。同研究会が取りまとめた基本戦略報告書、「e-Lifeイニシアティブ」の概要について、経済産業省商務情報政策局参事官・IT産業室長の福田秀敬氏がLinuxコンソーシアムセミナーにて講演を行った。

 e-Life戦略研究会設立の目的は、情報家電を一般に普及させ、より豊かな生活様式を実現させることだ。将来情報家電として発展していくと思われるテレビや洗濯機、冷蔵庫、携帯電話などは既に身近なものとなっているが、福田氏はこれら製品が情報家電として発展していくための条件をいくつか指摘した。それは、「安心して使えること」「誰にでも使いやすいこと」「価格が適切であること」「時間や場所の制約を受けずに使えること」である。

 なかでも福田氏は価格について基本的な課題を述べている。ビジネス顧客相手の大容量サーバなどと違い、これらの白物家電を購入するのは一般ユーザー。100円の違いさえ大きな影響を与えるというのだ。「情報家電は安価でなくてはどうしようもない。われわれがLinuxやTRONを情報家電プラットフォームとして推進している理由のひとつはここにある。Windowsも価格を下げてきたが、究極まで下げてもらわないと意味がない」(福田氏)

経済産業省商務情報政策局参事官・IT産業室長 福田秀敬氏

 e-Lifeイニシアティブでは情報家電普及のために行動計画をいくつか謳っているが、そのなかでも福田氏は、技術の標準化を推進することと、情報家電の相互接続性や信頼性について状況調査をして公表すべきだということを強調した。福田氏は韓国のSamsungが携帯電話で好調な成績を出していることを例にあげ、「Samsungではアーキテクチャが標準化しており、それによってトータルコストを下げることができた」と述べている。

 相互接続性や信頼性の状況調査については、メーカーが「ぎくり」とするような正直な報告書が必要だという。「製品比較をしている雑誌は多いが、メーカーが広告を出している場合、悪いことは書けない場合が多い。正直なコンシューマーレポートを作成し、それを公表したい」と福田氏はいう。

NTTシニア社員退職で浮く費用を光ファイバに

 情報家電となると切っても切れないのが通信形態だ。そのなかで福田氏は光ファイバの普及について、「理想ではあるが、総務省の出している数字より遅れるだろう」と個人的な見解を述べた。その理由は技術的な問題より経済的な問題であることを同氏は指摘する。光ファイバは導入コストが高額で、100万の家庭に光ファイバを導入した場合にかかる費用は「NTT東西の年間営業利益をはるかに上回る」と福田氏。つまり光ファイバの普及を急ぐとキャッシュフローに問題が出てくるというのだ。

 ただ同氏は、「2007〜8年年頃になるとNTT東西のシニアの方々が退職時期を迎える。そこで浮いた予算を回せばよい」とも語っている。また同氏はADSLについても、「いかにして価格を上げるかを考えないと、みなつぶれてしまう」と指摘している。聴衆の笑いを多く誘った講演ではあるが、すべて鋭い指摘だと言わざるを得ない。

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