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サーバメーカー各社、InfiniBandの次なる技術RDMAに期待

2003/05/06 21:15
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 低価格な部品からハイエンドなデータベースサーバを作るより良い方法を模索するため、Hewlett-Packard(HP)やIBMなどのメーカーは、高速ネットワーク技術InfiniBandの代わりとなる、より安価なテクノロジ確立のための活動を始めた。

 そのテクノロジはRDMA(Remote Direct Memory Access)と呼ばれ、InfiniBand実現で培った技術から多くを生かしているという。RDMAはInfiniBandに比べ低速で、かつ登場時期も遅いが、TCP/IPやイーサネットなど標準で安価な技術を用いたことにより、さらなる優位性を発揮しようとしている。

 「われわれは、RDMAでの活動を強力に推進している」とHP業界標準サーバグループのトップのMary McDowellはインタビューに答えている。

 もしその能力が期待通りなら、RDMAのリンク技術は、現在何十個ものCPUを搭載した非常に高価なサーバ上でしか動作しない巨大なデータベースを、ごく普通の小さなサーバの集合体で扱うことを可能にする。MicrosoftやIntelが主張するこの構想は、Oracle's 9i RACやIBMのDB2 EEEなどのデータベースソフトウェアなどに見られるように、その実現も早そうだ。だが多くの業界関係者は、広く技術が利用されるまでにはまだ年月が必要だと考えている。

 RDMAコンソーシアムは先週、ハードウェアやソフトウェア実装に必要な3つの仕様書の第2弾を発表し、RDMA現実化への新たな進展を見せた。またMicrosoftは今週、Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)会場にて追加情報を発表する予定で、さらなる進展が期待できる。

 HPのインテルサーバグループでCTOを務めるKarl Walkerは「MicrosoftからRDMAに関するより多くの情報を得ることができるだろう」と話す。またWalkerは、Linuxプログラマもこの活動に活発に取り組んでいるという。

 Microsoftは5月7日に、10ギガビットイーサネットを活用するためにはRDMAが必要だと発表する計画で、Chimneyというコードネームで呼ばれる同社の構想をいかにRDMAでサポートしていくかの議論を行う予定だ。Chimneyとは、ネットワーク高速化を実現するハードウェアであるTOEs(TCP/IP offload engines)を容易に利用できるようにするものである。

 IBMもまたRDMA後援者の1人だ。「RDMAとTOEs、そして10ギガビットイーサネットがそろえば、非常に強力な技術を持つことになる。それは、今日InfiniBandが担っているものだからだ」と、InfiniBandの中心的技術者で、IBMインテルサーバ事業のCTOを務めるTom Bradicichは話している。

巨大システム構築のための最良の方法とは?

 RDMAの登場は、巨大なサーバを作るための最良の方法を模索する議論の中で、新しい章の幕開けとなる。伝統的に、1分間に何万ものトランザクションを処理するようなシステムには、何十個ものCPUを搭載した高価な単体マシンが用いられる。いわゆるスケールアップである。しかし一方で、安価なマシンを高速なネットワークで結び作業を分担するという手法もある。これはスケールアウトと呼ばれる。

 程度の差はあれ、ほとんどの企業は両方の戦略を支持している。だがこの議論は、IBMやSun Microsystemsのような大規模サーバを抱えるメーカーと、Dell ComputerやMicrosoftのようにPC技術からのし上がった企業との対立の構図作り出しているといえる。

 InfiniBandと同種の技術であるRDMAは、スケールアウトのようなアプローチをより現実的にするためのものだ。「妥協のないパフォーマンスを要求するのであれば、InfiniBandはその最有力候補となるだろう。だが一般的なスケールアウト技術を望むだけなら、RDMAは非常に注目すべき手段となる」と前述のWalkerは話す。「スケールアウトvs.スケールアップの議論は30年にわたって続けられており、すぐに結論が出るものではない。しかし、業界の流れはスケールアウトの方向に動きつつある」

 RDMAがいつ市場にやってくるかで、会社の方針は変わってくるだろう。前述のBradicichは「製品が実際に展開するのは2005年頃だろう」という。同氏は、10ギガビットイーサネットが銅線をサポートする2004年までは製品の普及は難しいだろうと予測する。だがWalkerは、HPがRDMA対応OSとネットワークカードを2004年に出荷予定だと話す。「HPは現在広く利用されている1ギガビットイーサネット向けにRDMA対応を行った。何も10ギガビットイーサネットだけにこだわっているわけではない」

 RDMAは、データへのアクセス要求がOSやソフトウェアを通過する間、待ち時間なしにメモリへのダイレクトな読み書き処理を実現できるようにする。その遅延やレイテンシ(待ち時間)はRDMAにとって最も重要な課題であり、InfiniBandが勝ち得なかったメインストリーム技術として成功するためのポイントでもある。Walkerは「InfiniBandのレイテンシは約8〜12マイクロ秒であり、RDMAの1ギガビットイーサネットでは15〜18マイクロ秒になることが見込まれる」という。

 IlluminataのアナリストJonathan Euniceは「本当にその範囲に収まるのならいいが、問題は15マイクロ秒といいつつ、35や40といった実測値を出してしまうことだ。InfiniBandの例でいえば、2〜5の範囲といいつつ、実際には約10マイクロ秒という結果だった」と話す。

 Bradicichは、RDMAの詳細が固まるまでの間、InfiniBandは少なくとも18カ月にわたって市場で生き続けるだろうと展望を述べている。

RDMAの普及に向けて

 低速な技術がTCP/IPのように広く利用されている技術の力を借りることで、より高速だがどちらかというと標準ではない技術に対立するという構図は、RDMAが初めてというわけではない。ストレージの例でいえば、IP技術を使って発展しつつあるiSCSIと、高速で成熟した技術ではあるがiSCSIに追い越されつつあるファイバチャネルの関係がこれにあたる。

 RDMA技術の多くは、InfiniBand技術者によって培われた技術を直に利用している。これはBradicichとWalker共通の見解だ。例えばInfiniBandでは、OSのようなソフトウェアがハードウェアの各機能と協調することを保障するため、Verb命令群を持っている。RDMAコンソーシアムは先週、このVerb命令群に非常に酷似した仕様を発表している。

 Bradicichによれば、InfiniBandはPCの次世代高速バスであるPCI Expressなどにも影響を与えているという。InfiniBandは初期にうたわれていたほどポピュラーな技術にはなれなかったが、一部高性能が求められるニッチ市場では成功を収めている。

 まずIntelが、次にMicrosoftがInfiniBand計画からの撤退を表明している。さらにIBMも、カスタマイズされたInfiniBand用チップの販売は継続するものの、標準チップの提供計画は後退させる予定だと話す。

 InfiniBandは、同技術を使ってデータベース製品を販売するIBMや他のスーパーコンピュータメーカーによって前進を続けている。一部のメーカーは、昨年12月にInfiniBandに関する技術競争を繰り広げていた。中でもSunは、InfiniBandに非常に高い期待を抱いている。

 RDMAコンソーシアムは、RDMAの普及に向けて技術が成熟したものとなるよう、同技術の仕様を固めつつある。だが最終的には、IETF(Internet Engineering Task Force)のような業界標準化団体にその作業の継承を望んでいる。

 「RDMAコンソーシアムは、長い期間にわたって標準化団体としての活動を続けるつもりはない」とWalkerはいう。RDMAコンソーシアムによると、IETFが数カ月内にRDMA over Internet Protocol Suite Working Groupを設立する予定だと話している。

 RDMAコンソーシアム設立メンバーには、IBM、HP、Microsoftに加え、Intel、Dell、Cisco Systems、EMC、Adaptec、Network Applianceなどが参加している。

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