日立製作所は、0.3mm角の非接触型ICチップを試作し、動作の確認に成功したと2月14日発表した。紙に埋め込むことも可能な極小ICチップという。電波を受信してエネルギを得、128ビットの固有の番号を無線で送信できる。
こうした小さなICチップでは、アンテナとチップの接続が難しくなる。従来のICチップでは、表面に2個の接続端子を設けてアンテナと接続するという方法をとっていた。しかしチップが小さくなるにつれ電極のサイズや配置間隔も小さくなり、効率的な接続が困難であった。
そこで日立は、ICチップの表面と裏面に電極を設け、サンドイッチ状にICチップを挟むアンテナ構造を作った。これにより、片面に配置するアンテナ接続端子が1個ですみ、チップ面積を小さくできる。また上下反転しても動作するため、チップの上下面を考慮したり、高い精度で位置合わせをする必要がなくなる。こうした「新電極構造の採用で量産が容易になるため、生産性の向上が期待できる」(日立)という。
日立では、小型、高真正性、非接触などのメリットを生かし、インターネット技術と連携することで幅広い分野で利用できるとしている。金融、流通、交通、物流、生産管理、オフィス、エンターテイメントなどでの利用を想定する。
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