IBM、新薬開発支援に遺伝子情報分析企業と提携

 米IBMとアイスランドのDecode Geneticsは、遺伝子情報を分析する技術やサービスを新薬研究のために提供していくことで協力体制を敷く。米国時間時間1月23日に両社が発表したもの。

 両社は3年にわたる契約のもと、遺伝子、系統、医学データを分析するDecode Geneticsのシステム、Clinical Genome Miner (CGM) DiscoveryをIBMのハードウェアやソフトウェアに対応させ、共同で販売する。製薬会社、バイオテック企業、政府研究機関、医学研究病院、医療機関などを対象に、2003年中旬から同システムを提供していく予定だ。

 「遺伝子情報に基づいた医薬品開発を確実のものとする技術だ。われわれが提携したことで、医療現場が決定的に変わる可能性がある。予防や診断の向上に加え、特定な病気の治療にも貢献するだろう」(IBMの生命科学部門ジェネラルマネージャーのCaroline Kovac博士)

 IBMは成長著しい生命科学の分野にIT技術を提供してきた。同社は今回の提携を、より個人レベルの治療に役立てる技術の第一歩として位置付けている。「特定の遺伝子やそれに対する治療薬の発見を可能とするだけでなく、例えば、特定の地域に住む類似遺伝子情報を持つ集団の医療などにも期待できるとしている。

 Geneticsが提供するCGM Discoveryシステムは、特定の病気に関する遺伝子を分離・分析する統計型アプリケーション。同社がこれまで行ってきた遺伝子分析の情報が同システムに反映されているという。IBMのeServer pSeriesシステム(AIX搭載)やxSeriesシステム(Linux搭載)などのハードウェアと組み合わせる。IBMのインターネット・インフラ・ソフトウェアWebSphereとデータベースソフトウェアDB2を用いる。検索ツールDB2 Intelligent MinerやDiscoveryLink技術も提供し、「生命科学に関する膨大なデータベースの検索と一貫した検索結果を可能にする」(両社)としている。また、両社は共同でコンサルティングや統合サービスも手がける予定だ。

 システムの導入価格は、小規模のバイオテック企業向け構成が80万〜90万ドル、大規模企業向けの構成が数百万ドル。なお、同システムにはプライバシー保護技術を組み込む。Decode Identity Protection Systemが臨床データや遺伝子データから個人を特定できないよう自動的に処理する。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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