出版社のオープンソース戦略は成功するか

技術書や学術書を扱う出版社の米Prentice Hallが、オープンソースの「哲学」を導入した。新シリーズの書籍を、ウェブサイトからデジタル形式で無償提供する。

 Prentice Hallの編集長のMark Taubによると、Bruce Perens Open Source Seriesというシリーズタイトルで2003年に6冊をリリースする予定だという。Open Publication Licenseに従い、自由に複製することを認める。

 「今まで多くの書籍をオープンソース・コミュニティーに販売してきた。同コミュニティーに貢献したいと思うのは当然だ」とTaubは言う。また、ビジネス戦略としての効果も狙っている。「デジタル版の提供は、印刷媒体の販売を刺激するだろう」(同氏)

 Prentice Hallはオープンソース書籍の第1弾として、開発中止となったRed HatのeCos、侵入検知ソフトウエアSnort、Linuxプログラミングに関する3冊をリリースする予定である。「期待通りの反応があれば、来年は9冊、あるいは最大12冊に増やす意向だ」(Taub)

 シリーズタイトルのPerensは、「Open Source Definition」の筆頭著者で、オープンソース・プログラミングの提唱者の1人であるBruce Perensに由来する。オープンソース・ソフトウエアと同様、Open Publication Licenseのもとでは、「誰もが自由に、書籍を閲覧、修正、再配布することができる」(Perens)。ただし、修正や加筆を行った場合は、その点を明記した上で、原典を表記しなければならない。

 こうした動きは、他の出版社にもみられる。Prentice Hallと競合する米O'Reilly and Associatesは、Open Publication LicenseやGnu's Not Unix (GNU) Free Documentation Licenseのもとで、書籍をいくつかリリースしている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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