アップルのAI戦略--WWDCで見せたグーグルやアマゾンとの戦い方

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2016年06月17日 07時30分

 Appleは、人工知能(AI)の分野でライバルたちへの巻き返しを図った。その方法は、「Siri」をより多くの場所で利用できるようにし、内部の仕組みを説明せずとも同技術を普及できると見込み、さらに、インターフェースとインストールベースに依存するというものだ。

 「Worldwide Developer Conference(WWDC)2016」で、Appleのソフトウェアエンジニアリング部門を統括するCraig Federighi氏は実際に「高度な人工知能」と述べている。もちろん、Federighi氏は、エンジニアやテクノロジの仕組み、「iOS」のApple製写真アプリでのコンピュータビジョンの活用方法が、Googleが何年も前から用いてきた方法と同じであることについては語っていない。

 現実に目を向けよう。Appleは人工知能やコンピュータビジョン、そして、Googleが「Google I/O」でいつも話題にするあらゆるものに向けて舵を切った。AppleのWWDCの目的はAmazonとGoogleに追いつき、Siriをもっと賢くして、人工知能の話題に居続けられるようにするというもので、受動的な取り組みだった。しかし結局のところ、Appleはやらなければならないことをやったまでだ。Appleがテクノロジを創造する必要はない。なぜなら、歴史的に同社の役割は既存テクノロジを他社よりうまく利用して、完璧な製品を作り上げることだからだ。

人工知能を使った写真の分類

 AppleのAIの特徴はすべてのデータを「直感的なユーザーインターフェース」に取り込むことであり、それが「(データを)非常に魅力的なものにしている」とFederighi氏は語る。写真に関しては、同社は「ディープラーニングと同種のテクノロジを物体認識と場面認識にも応用」しているようだ。

 安心してほしい。Appleは規模の大きさと開発者の力によって、今後もビッグデータとAIの分野に留まり続けることができる、と同社は見込んでいる。AppleはSiriをサードパーティー開発者に開放し、SiriのAPIが既に「Slack」やWhatsApp、「WeChat」、Uber、Lyft、「Photo Search」「MapMyRun」「Runtastic」「SquareCash」「CarPlay」に連携することを明かした。Siriはユーザーがよりスムーズに文字を入力したり、能率的に返信したりできるよう支援するほか、同様に開発者に開放された「Maps」でもユーザーを助けてくれるようになる。

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