しかし、IoTに関して期待が高まっているとはいえ、ビッグデータの専門家と称する人々がIoTの活用方法にきちんと取り組むようになってはじめて同テクノロジはMWCの主役になる、と考える者もいる。
Red HatでシニアバイスプレジデントとEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)地域担当ゼネラルマネージャーを務めるWerner Knoblich氏は、「IoTによって膨大な量、そして、さまざまなフォーマットのデータが生成されるが、それを処理、標準化、および分類する鍵を握るのが、新たに出現しているゲートウェイレイヤ技術だ。業界各社は必要な技術を開発するパートナーを求めており、MWCでは、活発な議論が行われるだろう」と主張する。
今から1年前には、GoogleやAppleのような企業が自動運転車などの自律走行車分野で先頭を走っているように思えた。2016年の今は、自動車メーカーがこの分野でライバルを抜いて、再び先頭に返り咲きたいと考えているように思える。FordやJaguar、Volvo、トヨタ自動車はすべてこの分野への投資を行っている。MWCでは、多くの企業が最新の研究プロジェクトを披露するとみられている。
PRISMA Telecom Testingで事業開発担当バイスプレジデントを務めるPauolo Marini氏は、「コネクテッドカーはMWCでホットな話題になるだろう。自動車に搭載された接続機能によって、自動車運転に関するさまざまな新しい可能性が生まれると期待されている」と説明する。PRISMA Telecom Testingは5Gについて、自律走行車の潜在的な可能性を解き放つ鍵とみなしている。
自動車業界が、自動運転車は大きな関心を呼び、うまくやれば収入源になると考えていることは、公然の秘密である。実際に、EricssonのErik Kruse氏は、「すべての自動車メーカーが自動運転車を検討」しており、「皆がその準備を進めている」と指摘する。
MWCでは、自動運転車以外の自動車も展示されるだろう。一部のメーカーは、自動運転機能を備えた別種の自動車のプロトタイプを披露する準備も進めている可能性がある。自動車もそうだが、配達用バンやドローンもオンライン小売を変える可能性を秘めている。
結局のところ、自動車がMWCでそうした重要な地位を占めるようになったことは、同展示会自体の進化を反映している。MWCはもはやテクノロジ企業や業界が新型スマートフォンを披露するだけの場所ではなく、さまざまな企業があらゆることの未来について、自社のアイデアを売り込むための最大規模のイベントの1つになっているのである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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