リバーシブル仕様のUSB規格「Type-C」--その利点と従来のUSB規格との違い - (page 3)

Dong Ngo (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2014年09月29日 07時30分

USBのバージョン

 USB 1.1:1998年8月に発表され、広く採用された初のUSBバージョンである(最初のバージョン1.0は消費者向け製品には搭載されなかった)。最大データ転送速度は12Mbpsだ(ただし1.2Mbpsしか出ないことが多い)。今ではほとんど使われていない。

 USB 2.0:2000年4月に発表されたUSB 2.0の最大データ転送速度は、「Hi-Speed」モードで480Mbps、「Full-Speed」モードで12Mbpsだ。

 USB 3.0:2008年11月に発表されたUSB 3.0の最大データ転送速度は、「SuperSpeed」モードで5Gbpsだ。通常、USB 3.0ポート(とコネクタ)は青色である。

 USB 3.1:2013年7月26日に発表されたUSB 3.1は、データ転送速度がUSB 3.0の2倍となる10Gbps(「SuperSpeed+」または「SuperSpeed USB 10 Gbps」と呼ばれる)で、初代のThunderbolt規格と同等の速さだ。USB 3.1はUSB 3.0およびUSB 2.0と下位互換性がある。USB 3.1には3種類の電力プロファイルがあり(出典:USB Power Delivery Specification)、大型のデバイスがホストから電力を受け取ることを可能にする。

USB Type-C

 物理的に、Type-Cのポートとコネクタは、先述のMicro-B USBのものとほぼ同じサイズだ。Type-Cポートのサイズはわずか8.4mm×2.6mm。つまり、最小の部類に入る周辺機器にも使用できるサイズだ。Type-Cでは、USBケーブルの両端が同じになるため、どちらの端でもポートに差し込むことができる。さらに、上下の向きを気にする必要もない。

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提供:Foxconn

 2015年に対応機器が登場予定のType-C USBは、最大データ転送速度10GbpsのUSB 3.1をサポートし、最大出力も20V(100W)、5Aと大幅に強化されている。ほとんどの15インチノートブックコンピュータで必要な電力が60W程度であることを考えると、この機能強化により、将来的にはノートブックコンピュータを現在のタブレットやスマートフォンのように、本体の小さなUSBポートで充電できるようになるだろう。

 Type-C USBでは双方向の給電も可能になる。そのため、周辺機器を充電するだけでなく、それが妥当な場合は、周辺機器によってホスト機器を充電することも可能だ。これらすべてが意味するのは、大量のプロプライエタリな電源アダプタやUSBケーブルを捨てて、すべてのデバイスで使用できる小型の強力な単一ソリューションに移行できるということだ。今はさまざまな機器を動作させるために何本ものケーブルが必要だが、Type-C USBが登場すれば、その数が大幅に減るだろう。

下位互換性はあるがアダプタが必要

 Type-C USBとUSB 3.1は、USB 3.0およびUSB 2.0と下位互換性がある。しかし、Type-C USBには、これまでのようにType-Aのポートとプラグは含まれない。そのため、Type-Cが普及するまでは、既存のホストと周辺機器をほかのType-C対応機器と使用するためにアダプタが必要になる。

 USBでアダプタが必要になるのは今回が初めてだ。少なくともしばらくの間は、こういうことはないだろう。USBの仕様策定団体であるUSB Implementers Forumによると、Type-C USBは将来の変化に耐えられるように設計されているという。つまり、この設計はより高速な将来のUSBバージョンにも使用されるということだ。

 Type-Cが現在のType-Aと同じくらい普及するまでには数年を要するはずだが、それが現実になったとき、さまざまな機器を今より手軽に利用できるようになるだろう。1本の小さなケーブルさえあれば、あらゆるデバイスで、データ転送と給電の両方を行えるようになる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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