「iPhone」用ゲームコントローラを試す--米ロジテック「PowerShell Controller + Battery」レビュー

　「iPhone」でゲームをプレイするのにボタンは必要だろうか。もちろん必要ない。だが、MFi認証を受けた「iOS」向けゲームコントローラが登場し、さまざまなゲームで本格的なゲームコントローラのようなサポートを提供すると約束している。理論的には、iPhoneや「iPod touch」を小型の「ニンテンドー3DS」や「PlayStation Vita」のように使うことができる。

米ロジテック「PowerShell Controller + Battery」--写真で見る「iPhone」用ゲームコントローラ

　米Logitechの「PowerShell Controller + Battery」もそうしたアクセサリの1つだ。名前が示しているように、PowerShellは物理的なゲーム用ボタンを追加するケースであると同時に、バッテリパックも備える。価格は99.99ドルだ。この価格を聞いて購入を見送る人も多いかもしれない。

　iOS向けゲームコントローラを欲しくなるかどうかは、そのコントローラをサポートするクールなゲームはどれだけあるのか、そして、価格はいくらか、という2つの要素に左右されるだろう。これが現時点であらゆるiOS向けゲームコントローラの弱点になっている。Logitech製PowerShell Controller + Batteryのようなアクセサリの価格は、率直に言って高すぎる。また、今はまだそれほど興味深い機能もない。

　「App Store」には極めて魅力的なゲームがあるが、それらは全体のごく一部でしかない。サポート対象のゲームをもう少し追加して、価格を下げれば、面白いことになるだろう。LogitechがiOS向けゲームコントローラアクセサリ市場に初めて投入したPowerShellは、よくできてはいるが、競合機種に比べるとボタンの数が少ないため、実用的であるという印象はあまりない。

　米国において既に発売されているゲームコントローラアクセサリはそれほど多くなく、「MOGA ACE POWER」や「SteelSeries Stratus」、Logitech PowerShellなどだ。MOGAとLogitechのアクセサリは、いずれも「iPhone 5」と「iPhone 5s」、そしてiPod touchの2012年モデルに装着するタイプのケースで、「Lightning」コネクタを使用し、外出先で充電できるようにバッテリパックが追加されている。価格はどちらも99.99ドルだ。SteelSeries Stratusも価格は同じだが、デバイス本体に装着するケースではなく、独立したスタンドアロンのBluetoothコントローラだという点で異なる。SteelSeries Stratusは「iPad」でも利用可能だ。

提供：Sarah Tew/CNET

　PowerShellとMOGA ACE POWERはいくつかの重要な点で非常に似通っている。どちらもLightning接続が必要なので、iPhone 5や第5世代iPod touchより古いデバイスでは利用できない。また、iPhoneとiPod touch専用の装着型コントローラケースとして設計されているほか、充電可能なバッテリパックケースとしての機能も備える。さらに、いずれもBluetooth接続をサポートしない。Logitechのケースは「iPhone 5c」に対応しないが、MOGAのケースは対応可能だ。

　しかし、Logitech PowerShellのボタンの数はMOGA ACE POWERやSteelSeries Stratusより少ない。PowerShellのボタンは、十字キーが1つと、色分けされた文字が書かれた4つのボタン、左右上部の2つのボタン（と専用の「Pause」ボタン、ケース内側のiPhone/iPodのオン／オフボタン）だけである。MOGAとSteelSeriesのコントローラはそれらに加えて、デュアルアナログパッドとデュアルアナログトリガーも搭載しており、「iOS 7」に組み込まれた「Extended」（拡張）コントローラプロファイルを反映している。PowerShellが採用したのは、それより簡素な「Standard」レイアウトだ。Appleは、ゲームコントローラメーカーがいずれかのボタンセットを選択できるようにしている。率直に言うが、1つにするべきだ。つまり、真剣なゲーマーが欲しがるようなボタンをすべて備えた「Extended」レイアウトだけであるべきだ。もしボタンを追加できるのなら、筆者はそれらすべてのボタンが欲しい。

提供：Sarah Tew/CNET