「Mighty Eagle」--NASAが開発を進める自律飛行ロボット着陸船

James Martin (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年09月08日 07時30分

 今から5週間前、米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「Curiosity」が突入、降下、着陸という一連の手順を開始したそのとき、ミッションの成否は「恐怖の7分間」にかかっていた。恐怖の7分間とは、NASAとCuriosityの通信が途絶えた状況で、同探査機が自動着陸手順に従って着陸に成功するまでの時間を指す。

 同ミッションはこれまでのところ素晴らしい成功を収めているが、NASAは米国時間8月16日、別の着陸に成功したことを発表した。着陸船「Mighty Eagle」は、カメラを含む次世代の自動ランデブーおよび捕捉技術を搭載している。標的の位置を特定したら、画像処理ソフトウェアを使って制御コマンドを生成し、自らを標的とのランデブーに誘導できるのだ。それらすべての作業は、人間の助けなしに実行される。

 Mighty Eagleの飛行テストは、アラバマ州ハンツビルにあるNASAのマーシャル宇宙飛行センターで3週間前に行われた。同着陸船は高度30フィート(約9.1m)まで飛行して、約21フィート(約6.4m)離れた地面に描かれた光学標的を特定し、その場所に安全に着陸した。

NASAの新しいロボット着陸船Mighty Eagle
NASAの新しいロボット着陸船Mighty Eagle
提供:NASA

 マーシャル宇宙飛行センターのEngineering Directorate(技術局)の制御エンジニアであるMike Hannan氏は、「これはすごいことだ。この一連のテストの主な目標が達成された。自律的に、そして高い精度で標的を捜索および発見させるという目標だ。われわれが制御室からMighty Eagleに命令を出しているわけではない。われわれのソフトウェアは、同着陸船に自分で考えさせようとしている。今後は同ソフトウェアの性能の高さをテストするために、Mighty Eagleの上昇および降下距離を延長し、同じように標的を捜索および発見できるかどうかを確かめるつもりだ」と述べた。

 高さ4フィート(約1.2m)、直径8フィート(約2.4m)、重量700ポンド(約317kg)のMighty Eagle着陸船は、低コストのテスト用プロトタイプだ。NASAによるとこれは、小型かつ低コストで、性能が高く、多用途の新世代ロボット着陸船の開発、つまり太陽系の至る所で科学および探査に関する目標を達成できるような着陸船の開発に必要な技術を発展させるのに役立つという。

 同プログラムが進化を遂げてきたこの2年の間に、NASAのチームは25回以上の飛行を完了した。それによって、同着陸船の飛行システムの有効性を証明し、誘導、航行、および制御アルゴリズムを実演してきた。

 自律的な自由飛行、標的特定、および着陸の成功という3週間前の最高の成果によって、Mighty Eagleは航空テストプラットフォームとしての役割を果たすようになり、新しいアルゴリズムやほかの飛行センサの実演に使用されることになるだろう、とNASAは話す。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]