ここで登場するのがMotorolaだ。同社は1万7000件以上の取得済み特許を含む特許ポートフォリオを保有している。さらにそれとは別に、すでに出願済みで認可待ちの特許も7500件持っている。この特許ポートフォリオは、Nortel Networksが売却した特許グループよりも相当に大規模だ。
2011年夏、AppleやMicrosoft、Research In Motion(RIM)を含む入札者で構成されるコンソーシアムが6000件のNortel特許を45億ドルで購入した。これらの特許が高値で落札されたことで、Motorolaは自身の特許ポートフォリオを調べ直した。その結果、アクティビスト投資家のCarl Icahn氏がMotorolaに対し、同社の強力なモバイル特許ポートフォリオを収益化する別の方法に目を向けるよう迫ることにつながった。
Oppenheimerの証券アナリストであるJason Helfstein氏は、GoogleがMotorolaの買収を決定する上で決め手となったのはMotorolaの特許ポートフォリオだったと考えている。同氏はまた、15日午前に公開したリサーチメモにおいて、先ごろのオークションでNortelの特許が落札された価格を考慮した場合、Googleはいい買い物をしたと述べた。1株あたり43ドルという価格は、「Googleがワイヤレス分野の知的財産に関して有利な立場に立ち、Androidエコシステムを訴訟から守るための、おそらく最も安価で、最も効率的な方法だろう」と同氏は書いている。
すべてを含めたMotorolaの知的財産ポートフォリオは、先ごろ45億ドルの現金で売却されたNortelの特許の約4倍のサイズになる。つまり、Googleは4倍の知的財産をわずか2倍の価格で手に入れることになる。
実際のところ、米CNETのシニアライターであるJay Greene記者は特許をめぐるGoogleの苦悩に触れた先日の記事で、Googleが今後、特許の獲得に積極的になる可能性を指摘している。
「Googleは、特許ゲームに参加して、革新ではなく訴訟防止に出費することを嫌悪しているように思えるが、ほかに選択肢はないと思い至ったのかもしれない」(Greene記者)
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