第2にGoogle +1を使う人の課題がある。Google +1は、Googleプロフィールへ登録していることが前提で、知り合いは誰かというと、
と言われている。これでは知り合いであるかを決定する情報源としてはちょっと弱いと言わざるを得ない。一番大きな情報源は連絡先だと思うが、Gmailを使っている人でも、連絡先にきちんと情報を登録している人はどれ程いるのだろうか。
筆者はGoogle Contactsは名刺情報を登録し、かなり使っているほうだが、逆に、1度名刺交換をしただけという人もかなりいる。その人からGoogle +1でウェブサイトを薦められても、どう受け止めていいかよくわからないというのが率直なところだ。
また、親密度の低い人に対してGoogle +1でわざわざ推薦したいかというと微妙だし、何よりも、いつその推薦に触れるかがわからないのだ(見せる「場」がないのだ)。
逆に、Facebookの友達は原則的には個人情報を含むデータの公開をお互いに許可した「近しい人」なので、いいね!(Like)が押されたページには自然と興味が湧くし、シェアする方も、友達のウォールという「場」に出て目に触れることが確実なので、いいね!(Like)を押したり、シェアしたりするモチベーションが存在するのである。
人が興味を持ちそうな情報であれば拡散するというインセンティブも働く。そういう情報なので、Bingの検索結果にいいね!(Like)を押した友達が出てくるのだが、Google +1よりも受け止め方はやはり違うように思う。
結局のところ、問題は、(1)Google +1をウェブサイトに掲載する人がいるか、(2)Google +1を押すインセンティブやモチベーションが働く人がいるか、(3)検索結果にGoogle +1で推薦した知り合いの写真や名前を見て、アクションを起こす人がいるかという点なのだ。
3者がバランスよく存在し、アクションが活性化し始めれば、Google +1にもチャンスがあるかもしれないが、今のところはセッションの他のスピーカーも、現時点ではあまり積極的に取り組む必要はないと述べていた。
Google +1を押しても、自然検索の順位には影響はないし、AdWords広告についている品質スコアには直接の影響はないとGoogleのDulitz氏は述べているが、+1されたコンテンツがユーザーに役立つ情報と思われれば、クリック率が上がると思われ、品質スコアに対する間接的な影響はあるとしている。
また、別のスピーカーは、長い目で見れば、AdWords広告の品質スコアの要素とされているうちの3つ(過去のクリック率、リンク先ページの品質、アカウント履歴)には影響があるだろうと推測している。情報をシェアする本来の目的から考えれば本質的な議論ではない。
しかし、AdWords広告主の施策面でも、自然検索対策上でも、Google +1は重要、と認識される可能性はあるかもしれないし、それがGoogle +1の普及のきっかけになるかもしれない。
セッションで別のスピーカーは、Google +1は、そのウェブサイトが「信頼と安全」であることを示し、Facebookのいいね!は「人気と興味」を示すものだと言及していた。確かにそういう見方もあるように思う。
さらに言うと、現在のGoogle +1は「クリックしても大丈夫ですよ」というレベルでしかなく、Facebookのいいね!は、「あなたの友人が楽しんでいるようですよ/おすすめしていますよ」と言えるかもしれない。この差は大きいと思うのだが、Google +1はまだ米国でも完全にロールアウトされているわけではないので、今後の普及度合いや使われ方には注目したい。
一方で、BingはFacebookのデータを検索結果に真剣に組み込み始めた。
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